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リフォーム豆知識 | マンションってどこまでリフォームできるもの?

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  3. マンションってどこまでリフォームできるもの?

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08 マンションってどこまでリフォームできるもの?

Q:造り付け家具の工事をしたのですが、打ち合わせより幅を3センチ大きくしただけで元の値段の1.5倍の金額になってしまいました。そんなことってあるのですか?


マンションならではの大切な注意点がある

古いマンションでも玄関を一歩入れば全く違う空間になるような思い切った改装や、構造によっては大きな間取り変更もできます。またリフォームしておけば買い替え時に買い手がつきやすいというメリットもあります。 ただし、細かい規約や集合住宅ならではの注意点もありますので、それについていくつかあげておきます。


リフォームできる範囲

マンションの場合、そのマンションの規約によっても若干違いますが、基本的に改装できる範囲は個人の専有部分だけです。共用部分・専用使用部分については改装はできません。この改装範囲についての誤解が非常に多いので、ここで簡単に説明しておきます。 マンションは通常コンクリートの箱でできており、そこが構造体になっています。そしてその内側に木や軽量鉄骨で下地を組み、天井や壁・床を作っています。


共用部分と専有部分

共用部分とは、マンションの箱の部分であるコンクリートで作られた壁・床・天井・柱などのマンションを支える構造部分や、共同で使用するエレベーターや廊下などを言います。
専有部分とは、玄関の内側からサッシの内側までの住居部分を言います。コンクリートの壁・床・天井・柱の内側に組まれた壁組や天井組は専有部分になります。この部分が改装可能な範囲です。

マンションってどこまでリフォームできるもの?


つまり家の中はほとんど改装できますが、外から見える部分(サッシ・玄関ドア・廊下・ベランダなど)は改装でき ないということになります。 もちろん家の中にあってもコンクリートの壁は構造体ですからいじれません。木製の間仕切り壁は自由に動かしたり、取り払ったりすることができますので、思い切った間取りの変更も可能です。


専用使用部分

専用使用部分とはそこに住んでいる居住者が普段専用に使用している共用部分を指し、ベランダ・玄関扉・サッシなどが含まれます。 サッシのカギや網戸なども専用使用部分に含まれ、メンテナンスで網戸を張り替えたり、ガラスが割れた場合の交換、カギの交換などは持ち主が行うように決められています。 細かい部分では玄関ドアは専用使用部分で改装ができない範囲なのですが内側の塗装に関しては専有部分として工事を認めているところも多くあります。サッシの交換もNGです。


窓ガラスの性能向上のための交換は認められるように

窓に関しては、平成16年にマンション標準管理規約が改正になりました。それまでは窓ガラスは共用部分なので、ガラスの交換は認められていませんでしたが、現在は防犯や断熱などの性能向上のためのガラス交換が認められるようになっています。まずは管理組合に相談しましょう。


マンション規約

その他にも各マンションごとに決められた細かい規約があります。それが理に叶った規約なら良いのですが、マンションの構造や建築を良く知らない人が作ったり改正している場合も多く、驚くような規約もたまに見受けられます。

たとえば、指定業者以外の出入り禁止、水廻りの位置の移動禁止、配管の交換の禁止、フローリング貼り禁止などを理由も無く決めてしまっていたケースがありました。規約は必ず細かく確認するようにして下さい。 水道管・ガス管などもコンクリートの面の内側であれば新しく交換することができます。


工事の際の注意点

マンションのリフォームの場合、工事範囲・工事時間・工事前に必ず上下左右の家に承認印を貰わなくてはならない等、各マンションの管理規約で色々なことが細かく決まっている場合があります。

大事なことは、必ずマンション規約を守ることです。違反すれば途中での工事停止や、工事前の状態に戻さなくてはならなくなる場合もありますので気をつけて下さい。そして規約には決まっていなくても気をつけなければならない点がいくつかあります。

マンションは想像以上に工事の音が響き渡ります。また塗装などの匂いも近所に伝わり易く、音だけではなく様々な配慮が必要です。工事時間については通常9:00から17:00を基本として、日曜祭日は工事しないように気をつけて下さい。

無用なトラブルを避けるためにも、工事前には上下左右の家と材料を搬入する通路に面した家など、工事をすることによって影響のある家には必ず工事前に挨拶へ行くようにしたほうが良いでしょう。

床材については防音の問題がありますので、規約があれば規約に合った品物を、また規約が無くても2階以上の家は必ず防音効果のあるものを使用しましょう。 防音効果が高い床材はカーペットや畳ですが、フローリングを貼る場合には防音フローリング材と言って裏にスポンジが貼ってあるようなものか、床組を防音してからフローリングを貼るようにして下さい。

浴室改装の場合は漏水の危険がありますので、在来工法は避けてユニットバスを入れるほうが安心です。また水まわりの位置の移動は、排水管の下り勾配が取れる範囲での移動しかできません。あまり遠く移動すると排水が流れにくくなったり逆流する場合もあるので注意が必要です。 便器も排水方法によって特殊な便器が必要になる場合があります。


マンションの特性を理解する

マンションは一戸建てと違って増築ができませんので、限られた面積の中でどれだけ効果的なプランができるかどうかが改装のポイントになります。収納を壁面に造り付けたり、鏡を上手く利用するなど工夫してみましょう。

またこのようなプランを立てたり、工事の音の問題やエレベーターなどの共用部分の養生(ビニールなどで覆って保護すること)など、マンションの工事には特殊な点が多いので、マンション工事に慣れた業者を選ぶことも大切です。


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