藪肉桂 やぶにっけい     別名 クスタブ・アサダ・マツラニッケイ       
                
漢字について 
  ニッケイ(肉桂)に似て、芳香はあるが、ニッケイより劣るため、つまらないものの意でヤブがついた。中国名『天竺桂』。中国の桂は、香りのする木(モクセイ科とクスノキ科の一部)を指す。また、月に生えている空想上の植物を指す。カツラをオカツラというのに対してメカツラと呼ぶこともある。

材について
クスノキ科クスノキ属の常緑広葉樹    高さ15m直径1.0m気乾比重0.56
 辺材は黄白色から淡黄褐色。緻密で硬い。狂いやすいので、乾燥に時間はかかるが、加工が容易で光沢のある仕上がりになる。クスノキよりやや緻密な散孔材。床板・床柱・家具材(いす)・装飾材・器具材・薪炭材として使われる。産出量は少ない。

その他
 肉桂には劣るが、樹木全体に香りがある。樹皮より根皮の方に甘みがある。種子から香油が採れ、民間伝承では葉や樹皮は薬用(リュウマチ・腰痛・痛風・打撲など)にされている。
 成長は速く、耐潮風性が強い。一般的には観賞用や防風林に植えられる。
葉は包餅用。種子より油をとり明かり用にした。またカカオ脂の代用にした。

製作中の独り言
 いい香りがして、緻密で彫りやすかった。あまりいい意味ではない「藪」は、省略した。シイ・カシ林の木であるが、大滝の原生林にも生えているという。
 
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