姥目樫 うばめがし            別名 ウマメカシ・イマメカシ
        
漢字について 
 『姥芽樫』『馬目樫』ともいわれ、春先の若芽がはじめ焦げ茶色をしていて、姥(おばあさん)や馬の目の色に似ているところから。また、海沿いに生えているのでウミベガシ『海辺樫』からとも。伐ってもすぐに芽が出るのでイマメ『今芽』ともいう。ウバメガシは常緑でカシと名がつくが、果実は鱗片(りんぺん)の穀斗をもっているので、ナラの仲間と考える方がよい。中国名『鳥崗櫟』。

材について
ブナ科コナラ属の常緑広葉樹     高さ18m直径1.2m気乾比重0.99
 心材と辺材の区別が不明瞭で黄褐色から淡褐色で、きわめて重くて硬い。他の常緑カシ類とほぼ同じように使うことができるが、大きな樹が少ないので、硬さを生かした特別の用途がある程度である。すなわち和船具・車両・農具・槌(つち)・杵(きね)・印材その他の小器具などである。また椎茸榾木(ほだぎ)にも使われる。良質な白炭の原材になる。和歌山県でウバメガシから作られる白炭が備長炭と呼ばれる。

その他
 多くの枝をだし、刈り込みに強く、不良の環境にもよく生育できるので、庭木、生垣として植栽されている。生葉浸出液は黄色染料となる。

製作中の独り言
 備長炭を作っている方からいただいた材で作ったもの。重くて硬いので、加工が大変だった。
 
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