梣  とねりこ      別名 アオタゴ・サトトネリコ・タモノキ・タモ
       
漢字について  
 形声 木+岑。岑(しん)は高くつきでている小さい山の意。『秦皮』ともかく。語源は、カイガラムシがよく付く木で、これの分泌する白蝋を練って敷居に塗ると、戸がよく滑るようになることから、トヌリコ「戸塗り木(戸練子とも)」と呼ばれたため。それが、トネリコになった。中国名も『梣』。トネリコ属は英語で「ash」という。 

材について
モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹   高さ15m直径0.6m気乾比重0.76
 辺材は淡黄白色、心材は帯黄褐色で、辺心材の境は不明瞭。環孔材。木理は通直シオジ・ヤチダモよりやや重硬。強靱(きようじん)で曲げに強いので、運動具(野球のバット・テニスラケット・スキー板など)・器具・車輪などに使われる。また施作材・玩具などにも使われる。トネリコ材は、アオダモ材と混同して流通していて、ヤマトアオダモ材が多いという。

その他 
 近縁のアオダモの樹皮と同様、目の病気・痛風の薬として用いられる。漢方では秦皮といい、収斂(しゅうれん)・解熱剤(げねつざい)として用いられる。
 北欧神話の世界樹・ユグドラシルは、近縁種のセイヨウトネリコだといわれている。また同神話では最初の人間の男性はトネリコの流木から造られたとされている。

製作中の独り言
 確かに以前彫ったアオダモとよく似ている。チヂミ杢が少しでているので、見る角度を変えると変化して見える。
 
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