白樺  しらかんば              別名 シラカバ 
                   
漢字について 
  形声 木+華 華の下部は華の象形。華は光に通じる。これは、カバノキの樹皮をあかりに使ったから。結婚式のことを華燭の典というのはここから。中国では現在も同字を使用。『椛』は国字。
 語源は、アイヌ語のカリンパ(karimpa)が古名カニハ(桜皮)になり、カンバ(樺)カバに変化したもの。シラカワ(白皮)からという説もある。中国名は、『華北白樺』『日本白樺』。

材について
カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹  高さ30m直径0.9m気乾比重0.64
 辺材は黄白色、心材は黄褐色で、材はやや柔らかい。保存性は低いが、細工がしやすく、磨くと美しい。器具材(漆器木地・木型・道具の柄・マッチの軸・割り箸)や家具・曲木施作材・パルプ・化粧用材などに使われる。また樹皮のついたまま細工物にもする。材は、雑カバ(カバザクラ)という名前で流通している。

その他
 樹皮が白く成長が早いので、庭園・公園のほか街路樹としても使われる。
ただし寿命は80年ほどである。樹液が甘いので、蟻がよってくる。
 シラカンバやダケカンバなどの樹は、雨の日でも燃えるので、アイヌでは、松明(たいまつ)や調理器具などに利用した。

製作中の独り言
 この材も雑カバとして流通していたもの。樹皮が残っていたので、白樺と同定した。確かに他の樺類(アサダ・ミズメ・ウダイカンバ・オノオレカンバ)と比べると、材に緻密さがないが、それほど悪い材ではない。ウダイカンバに古い字体を使ったので、見慣れた字に近い字で彫った。
 
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