椎  しいのき               別名 シイガシ

漢字について 
 形声 木+隹 隹は鳥の象形。コジイ(ツブラジイ) とその変種スダジイ (イタジイ) の略称で、シイ、シイガシとも言う。『柯樹』とも書く。中国名は『米楮』。シイノキ属は『栲』。

材について
ブナ科シイノキ属の常緑広葉樹 
           高さ25m直径1.5m気乾比重0.52(コジイ)0.61(スダジイ)
 辺材は帯黄灰白色、心材はくすんだ淡黄褐色から黄褐色の放射孔材。スダジイの方が強度・耐朽性が高い。器具材(道具の柄)・建築造作材(床柱)・床材・家具材などに用いられるが、腐りやすいことと乾燥時に狂いが出ることなどから十分な利用がなされていない。主にシイタケの榾木(ほだぎ)や薪炭材にする。

その他
 照葉樹林の代表樹種である。堅果はタンニンが少なく生食できるものが多いことから、古代人類にとっては農耕文化以前から重要な食料となっていたと考えられている。シイノキの分布の北限は最も寒い月の平均気温が2℃の等温線と一致することが、広島大学の堀川芳雄氏により指摘され、この等温線にシイノキ線という名前が与えられた。

製作中の独り言
 カシとかナラのような堅い木をイメージしていたが、クリ材よりも軟らかくて彫りやすい材だった。そういえば、最近、椎の実は食ってないなあ。
 
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