専攻科 制作メモ


1.板の選定
 専攻科の主任が選んだのは、神代杉でした。神代杉とは、土石流や火山灰などで土の中に埋もれてしまった数百年前の杉の樹が、何かのきっかけで掘り出されたものです。この杉は、福島県の山中で掘り出されたものの一部で、テーブルが作れるほどの大きさがあります。杉以外にもケヤキやタモも出土しましたが、杉以外の材は使い物にならなかったそうです。

2.看板の大きさに切り出し
 看板は、半切大(135cm×35cm)を予定しているので、それより一回り大きく切り出してあります。まずチェーンソーでおおよその大きさにして、次に自動カンナを掛けます。そして、腐りの入ったところに瞬間接着剤とボンドを注入して補強します。

チェーンソー
自動カンナ
手ガンナ
木工用ボンド
木工用瞬間接着剤

3.彫り終わったところ
 今回は手彫りでは大変なので、トリマーを使用しました。ビットは、6mmと3mmのストレートビットで、トリマーで処理しきれないところは鑿と彫刻刀で仕上げました。深さ3.5mm。一枚彫るのにまる2日かかりました。壊れやすい部分は、その都度瞬間接着剤を注入し、材を固めてから彫りすすめます。
 同時に制作している2枚の看板と一緒に。8/16

トリマー  マキタ3701F
ビット マキタ3mmストレート 6mmストレート
クランプ
ノミ 1.5mm 3mm 6mm 9mm 
彫刻刀(切り出し)

4.下塗り
 まず、瞬間接着剤で字の部分を固めます。屋外に設置するので、耐候性を考えて、アクリル塗料を使うことにしました。まず、下塗りに白のアクリルジェッソを塗ります。白い色は、胡粉と同じ炭酸カルシウムです。

リキテックス アクリルジェッソ 300ml

5.彫った部分に絵の具を入れたところ
 絵の具は、岩絵の具の緑青#7をアクリルのマットジェルメディウムで延ばしたもの。岩絵の具のつぶつぶ感が渋くていぃ感じです。
 書体は、隷書体。寸法は、138cm×40cmで、当初予定より一回り大きくなりました。

岩絵の具 ナカザワ胡粉 緑青#7 100g
リキテックス マットジェルメディウム 300ml
サンドペーパー  #120 #180 #240 

6.設置予定場所、専攻科棟入り口に置いてみました。渡り廊下から撮影。
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