ソーラー腕時計の修理

現在、カシオのSTR-200 定価 \12,000円 のソーラー腕時計を持っています。

性能はラップが60個、明るいELライト・・・等、機能も多いです。

フル充電時からソーラー発電無しの状態での駆動時間
 機能使用の場合:約9ヶ月
 パワーセービング状態の場合:約24ヶ月

蛍光灯の光でも発電するソーラーパネルと、電力消費の激しい各機能をスムーズに駆動することのできる二次電池を組み合わせたカシオ独自の大容量ソーラー充電システム(タフソーラ)です。

非常にお気に入りの腕時計です。


しかし、半年ほど前から時々電池の容量が少なくなり、勝手にリセットされる現象(日付が2000年1月1日になり、データが消える)が出てました。
それで、度々、太陽に当てて充電して復活させていました。
それが今年になってからは1週間に1度というペースでリセットされ、いくら太陽に当てて充電しても改善がみられませんでした。
明らかに電池が弱っている状態です。

はっきり覚えてませんが、購入してから5〜6年が経過してます。

これでは使用に耐えれないと判断し、修理に出して電池交換を考え、購入したお店に持っていくと、『通常、10気圧防水タイプの腕時計で電池交換は3,000円だが、蓄電式でも太陽電池で充電するタイプはもっとお金が掛かりますよ』と言われました。
最後に、ありがたい(?)アドバイスは、『新しいのを購入した方がいいのでは?』との提案です。

たかが電池交換の時期で新しいものを購入させられるお店の誘導に乗ってはいかんと、自分で電池交換する決心をしました。

腕時計の裏蓋はプラスネジ4本で止められており、これを外せばいいのだが、元々、メーカでしか交換を想定していないためかバンドでネジの頭が隠れていて非常に作業性が悪い。
恐らく先にバンドを外してから裏蓋を外す作業手順だが、バンドの外し方が分からない。
それでも何とか3本の裏蓋のネジを外したが、1本は硬くてネジ山を潰してしまい、どうしても外れません。
何とか工夫をして、裏蓋の残った一本のネジを中心に回転して、中を見ることができました。


 
蓄電池を取り出すと、型番はCTL1616 Panasonic製です。
CTL系はリチウムコバルト酸化物を用いたリチウムイオンニ次電池です。

電圧を測ってみる、1.45Vしかありません。
CTL1616の詳しいデータシートがないので、よくわかりませんが、恐らく2.6Vか3Vでしょう。

大きな電気店に行っても、電化製品の修理店、時計の修理店に行ってもこの蓄電池は入手できませんでした。

しかたなしにネットで調べてみると、日本国内では入手できなくて、逆輸入してネットオークションで販売されていました。
価格は送料込みで1460円、クレジットカードの手数料が98円で、トータル1558円


 
この蓄電池のサイズは、よくつかわれているリチュウムコイン電池CR1616と同じサイズです。
CR1616は一般的で、データシートもネットで調べたら直ぐにでてきます。
公称電圧は3Vで、百均では105円で売ってます。

ただ、これを使うと太陽電池からの充電の電気が流れて、液漏れも可能性が出てきます。
この電池を使うなら、太陽電池からの充電回路のパターンをカットする必要がある。
安くあげるにはこの方法がベストなのだが、蓋が完全に開かなかったので、この方法は不可能。
よって、ネットオークションでCTL1616を購入しました。


 
バッテリーを交換する前に、念のため新しいバッテリーの電圧を測ると2.4Vありました。(安心!)

交換した後は、注意書きの通りにブルーで示したプラス(+)とマイナス(−)を2秒間ショートさせます。

ピンセットですると簡単です。


この状態では、バッテリー不足ですので、太陽に当てて充電を行い終了です。


また、裏ぶたパッキン(右の写真)は、ネジが1本取れなかった関係で使えなくなりました。

代わりにシリコンを蓋と本体の隙間に充填して汗が中に入り込まないようにして完了です。

リチウムイオンニ次電池は、一定の電圧以下に放電(過放電)されてしまうと、次に充電することが難しくなります。(イトカワに行った『はやぶさ』もこれに苦労させられたようです)

また、蓄電池の寿命は、何回充放電を繰り返したか、この回数に左右されます。

ネットで調べたら、10気圧の時計なら、バッテリー交換で通常3000円。蓄電池の場合はバッテリー代と工賃で15000円だとか、7000円という報告があります。
これでは修理をしないで買い直しますね。
新しい腕時計を買い直すように、メーカが主導権をもっているのは悔しいです。
だから自分で修理しましたが、これでますます今の腕時計に愛着がわきました。
『電池が不要』とか、『大容量ソーラー充電システム、タフソーラー搭載により電池切れの心配をすることなく、機能の連続使用が可能』の宣伝文句(嘘ではないです)ですが、タフソーラの寿命がきたときの処理は、通常メーカ任せなので、その点は十分考えてから購入の判断が必要かなと思いました。

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