40年前初めて熱帯魚を飼い、図鑑でしか見たことのなかったネオンテトラやディスカスを、有り金をはたいて水槽に入れた時の、そして毎日毎日何時間も水槽をのぞき込んでいたあのころの、あつい思いを今でも思い出します。しかし温度さえ熱帯地方にすれば熱帯魚は飼えると思っていた水槽では魚たちは次々と天に召されていきました。不思議なブルーのあのディスカスも黒くなって・・・・・。
 それ以来飼うのをやめていましたが、子供が産まれ、伏見キャッスルランドという遊園地に連れて行ったときに、なんとそこには金魚すくいではなく、金魚の釣り堀があったのです。しかも釣れる魚が和金ばかりではなく硫金や出目金や、金や銀の鯉まで釣れてしまうのです。しかも、
しかも釣った魚はもって帰れるのです。困った顔の奥さんを横目に、大黒さんの袋のような大きな袋に魚をいっぱいにして、遊園地の乗り物にも乗らずに急いで帰ってきました。大きな水槽を買いに走ったのは言うまでもありません。それ以来水槽が増え続け、天井まであるアングルを組み立てて一部屋が水族館状態になるのに一年もかかりませんでした。そして熱帯魚屋に通い続け、本を読みあさり、飼っている魚には快適な生活を送らせてあげようと世話をしたおかげで次々と子供が産まれ育っていきました。
 忘れもしないその日は突然やってきました。1995年1月17日午前5時46分。「キャー」と叫んでいる奥さんをちらっとでも見たのか見なかったのか。気がついたら水槽のアングルが倒れないようにしっかりと押さえている自分がいました。その間にも水槽からは水がバシャーン、バシャーンとあふれ出て水槽部屋はプールのようになりました。水槽は割れなかったけれど、水が3分の1ぐらいはあふれ出たでしょうか。しばらくしてからです。気がついたのは。「子供は大丈夫かな。」我が家の阪神淡路大震災はお父さんは何が一番大切か。という踏み絵を残して去っていきました。この日を境に家族の冷たい視線が・・・。水槽が一つ減り二つ減り、月日はながれ30以上あった水槽は今2本だけになってしまいました。

みなさん!家族は大切に!趣味もほどほどに !

それでは突然ですが熱帯魚飼育講座を始めます。

この写真は我が家の玄関の靴箱の上に置いてある60cmの水槽です。この水槽はもう何年も苔取りや水換えや掃除などをしたことがありません。しかも魚たちは何年も快適に?暮らしています。

この中の住人
 カージナルテトラ
 グローライトテトラ
 ブラックネオン
 グリーンネオン
 ホワイトネオン
 サーペ
 セイルフィンプレコ
なぜか高槻菖蒲園のドジョウ


第1回目は、なぜガラスに苔が生えていないのか?


その秘密は水槽の住人にあります。苔が生えないのではなく生えた苔を食べてくれる便利な住人がいるからです。その名はセイルフィンプレコ(写真)です。プレコにもいろいろな種類がいますが一番のおすすめはこのセイルフィンプレコです。まず丈夫です。それに安い。もっと安い並プレコがいますが、なぜかすぐ死んでしまいます。ぜひ一匹水槽に入れることをおすすめします。ただし丈夫で長生きするのでかわいかったのが巨大に(人は不気味というが)なります。しかし水槽はピカピカです。

注意!
 苔を食べるからと餌をやらない人がいますがそれでは足りません。ひかりクレストのプレコという餌を一日一個あげてください。それで煩わしい苔掃除から解放されますよ。


第2回目水槽の水を美しく保つ方法。(これがメインです) 

 水槽のなかに魚を飼い、餌をあげていると自然と水は汚れていきます。餌をあげるだけでは、水は汚れ、いずれ魚は死んでしまいます。なぜ水が汚れると、魚は死んでしまうのでしょう。底の見えない真っ黒な川でも、魚が元気に泳いでいるところもあります。水槽では、透明な見た目はきれいな水でも、魚が死んでしまうのはなぜでしょう。その犯人がアンモニアなのです。魚の糞や餌の残りなどの窒素が水に溶けて、生き物にとっては有毒のアンモニヤになるからです。どのくらい有毒かは学生の時にアンモニアのにおいをかいだ人は身をもってわかったと思います。アンモニアのなかで泳ぐなんて考えただけでも・・・・・・。そこでアンモニアを水槽から取り除く方法を次に書きますので、自分にあった方法を選んでそして実行してください。でないと美しい魚たちが次々と死んでしまいます。狭い水槽に閉じこめる、せめてもの罪滅ぼしだと思って最善の方法で飼ってやって下さい。

1.面倒ですが一番手っ取り早い方法

 水槽の水を頻繁に換えることです。アンモニアの入った水槽の水を3分の1ぐらい捨てて新しい水を入れる。これはディスカスやグッピィのブリーダーがやっています。まめな方はぜひやってください。

2.バランスドアクアリウムという方法     

 せまい水槽のなかで、大自然の原理を応用し、地球の水中域と同じ小さな生態系を作り、水換えをほとんどせず、自然にできるだけ近い状態で、その中に魚を棲ませるという方法です。そのキーポイントになるのが濾過バクテリアという細菌です。濾過バクテリアはアンモニアを亜硝酸に、亜硝酸を硝酸塩にと、より毒性の少ない物質に変えてくれるありがたい細菌なのです。そして最後に残った硝酸塩を水草の肥料にしてしまおうという考えがバランスドアクアリウムという方法です。

@せまい水槽のどこに濾過バクテリアを繁殖させるのか。その1。    

  まずは上部式フィルター(リンク1)にひと工夫です。普通はリンク1の絵にもあるように水槽の上部に濾過槽を置き、ポンプで水をあげる方式のフィルターです。濾過槽内に砂利、ウールマットをセットし、そこに濾過バクテリアを活動させ、水を通すことで浄化する方法です。これを少しだけ改造します。まずポンプですが海水魚にも使えるという「ニッソーシーパレス パワーフィルター(SQー05S)」に替えてください。丈夫で長持ちします。それに少しは強力なような気がします。そのポンプのストレーナー(水を吸い込む部分)をはずして「テトラのPーTフィルター」を写真(リンク2)のように水に溶けても安全な接着剤で直結します。そして、濾過槽内ですが砂利の代わりに「キョーリン社のシポラックス」写真(リンク3)のように敷き詰めてその上にウールマットを敷き、一番上に椰子殻活性炭をセットすると上部式フィルターの改造は終わりです。これで砂利とウールマットを敷いただけの濾過槽にくらべて濾過バクテリアは何倍か多くなっていることと思います。

Aせまい水槽のどこに濾過バクテリアを繁殖させるのか。その2。 

次は水槽のなかでもっとも面積の広い底に注目です。底には大磯砂などの砂利を敷いて水草を植えますが、この砂利を濾過バクテリアのすみかに改造します。次の器具を用意してください。
エアーポンプ
底面式フィルター
テトラ ダブルブリラント
この3点セットで濾過バクテリアの数は飛躍的に増加します。水槽の横の面が一面、テトラ ダブルブリラントに占領されますが・・・。

Bせまい水槽のどこに濾過バクテリアを繁殖させるのか。その3。
 

基本的にはその2と同じ場所を使うので、その1とその2を組み合わせるか、その1とその3を組み合わせるかの違いになります。今回の方法がその2にくらべて違う点は、より多くの濾過バクテリアを繁殖させる代わりに、水槽の横に少しのスペースと予算が必要と言う点です。その2のエアーポンプは水を循環させるだけの器具ですが、このエアーポンプの部分にも、濾過バクテリアを繁殖させてしまおうというのが今回の方法です。次の器具を用意してください。
エーハイム外部式フィルター
エーハイム底面直結フィルター
テトラ PーTフィルターかPーUフィルター
この3点セットで濾過バクテリアの数は、その2にくらべてよりいっそう増加します。この3点セットを写真のようにセットするとできあがりです。

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