戦争の愚かさ (戦争が遠い過去のものとなった人々へ送るメッセージ)
2021/03/11
なぜ日本は第二次世界大戦(太平洋戦争)を始めてしまったのか。
1930年ごろ 日本は経済不況(デフレ、物価下落、輸出不況)でサラリーマンや農民が
生活に苦しんでいた。
満州は石炭や鉄鉱石などの豊富な資源が取れる地域で、資源の乏しい日本にとっては重要
な場所だった。
1930年の昭和恐慌で生活が苦しくなった貧困農民やサラリーマンを保護することが日本
政府の急務となっており、満州進出こそが その打開策と考えられた。
そのため、日本軍部(関東軍)が 先走りして 満州を占領する行動を起こした。その
行動の正当性をアピールするため、満州鉄道爆破を日本が自ら行い、それを中国が爆破した
ように見せかけて、聖戦などと言って満州を侵略していき、中国と戦いに入った。
関東軍は政府をも無視する強力な組織となっていて、独断専行がうかがえた。
またこの当時、政府はクーデターやテロなどで戦争肯定の内閣に再組織されてしまったため、
資源調達のために満州から中国、さらに東南アジアへの侵略が加速していった。
経済不況からの脱却への期待、や「聖戦である」などと だまされてしまった日本国民は、
戦争の現地状況を正しく知らされず、勝利を確信して日本国全体で太平洋戦争を続けていった。
この戦争は、韓国、北朝鮮、中国、東南アジア、その他で、日本軍が 残虐な行為を行って
きたことを忘れてはならない。 現地の人々の心の奥には、日本に対する憤りを心の奥に
持っている子孫がいることを忘れてはならない(歴史の事実は語り継がれるのだ)。
日本は、戦争の悲惨さを後世に残すため、原爆被災の悲惨さや米軍の空襲などを取り上げて
日本がひどいことをされてきたことを国民に伝えているが、その伝え方は正しいとは言えない。
戦争の真実を伝えるためには、戦争を始めてしまった日本の愚かさや 戦争の悲惨さを後世に
残すのであれば、もっと公平な立場で考えるべきだ。
(原爆の恐ろしさや原爆を使用してはならないことへのアピールとしては理解できるが、後世
に伝えるべきは何なのか、その本質を 見失ってはいけない。)
戦争を知らないこれからの人たちからや 海外から 同情を得るためなのか、それとも
アメリカの非道さを訴えているのか、だとしたら、それは「戦争を二度としてはならない
ために これからの日本を背負ってゆく若い人たちへの伝言」としては 伝え方が大きく間違
っている。
後世に残すべきは、戦争は二度としてはいけないということをわかってもらうことである。
そのためには、なぜ日本は戦争を始めてしまったのか(侵略を始めた原因)、そしてその結果
日本国民はどのような悲惨な暮らしを強いられたのか、どのような悲惨な状態になってしま
ったのか、そして、日本が侵略していった、韓国・北朝鮮、満州・中国、東南アジア、その他
各国で、現地の人々に対して日本が行ってきた残虐行為の事実を 正しく認識しなくてはいけ
ない。
以上
2021/03/11 下川井カルチャーホール館長
(追記: 私の父は自ら日本軍隊に志願し、満州へ渡ったが、前線へ出撃する直前に終戦を
迎た。だから運よく日本に帰国でき、結果、私が存在しているのかもしれない。今はすでに
亡くなっているが、その父に 生前 次のように聞いたことがある。
「なぜ 軍人を志願してまで、戦争に行ったのか?」 その問いに対して父は 顔を真っ赤に
して怒鳴りながら次のように言ったきり黙ってしまった。
「お前に何がわかるっていうんだ・・・。」
そんなやり取りがあったことを昨日のように覚えている。)