鼻行類ゼミ第5回

特別篇 ここにもいた鼻行類

May. 18,2000

 今回は5/18ハナアルキ・デーを記念して特別ゼミである。
 実は鼻行類というのはひろく知られた存在であり、世界各地の民話や各種文献内にもたびたび登場しているのだという「鼻行類遍在説」が最近学会で注目されている。それについて鼻行類研究所主任研究員【Ormitte】の私的諮問機関*0である「鼻行類検討会」のメンバーに語ってもらった。

【Ormitte】:ということで皆に話してもらいたいんだよ。
【淳】:あのなぁ、毎度ながら*1そんな下らないことのために人を呼ぶなよ。こう見えてもオレは忙しいんだぞ。
【Ormitte】:言葉には気をつけた方がいいな。さもないとスナック「よさこい」のママと淳が暗い夜道を必要以上に親密な様子で歩いており、その向かった先はホテル「タンガニイカ」であった、という話が君の配偶者たるキヨエさんの耳に入ることになるぞ。
【淳】:そう、やはり注目すべきは「鼻行類遍在説」だよな。うんうん。
【ゆうじ】:素早いジャガー・チェンジ*2ぶりだな。っていうか、こんなとこで書いちゃったらもう手後れだろう。
【ようこ】:スナック「よさこい」のママってあの森久美子みたいな人でしょ?あれじゃぁ「よさこい」じゃなくて「どすこい」だわね。
【Ormitte】:えー、話をもとに戻します。先ずはほら、よく昔のSF小説に出てくるようなあのいわゆるタコ型火星人について。
【ゆうじ】:あれが鼻行類だってのか?
【淳】:確かにタコと鼻行類というのはアナロジー*3的ではあるな。頭から足が出てる*4し。
【Ormitte】:タコってのは軟体動物だから足で直立歩行はできないでしょう、あれがおかしいと思うわけね。
【ゆうじ】:だからあれの正体は鼻行類であった、というワケなのか?
【ようこ】:このクッキー食べていいわね?
【ゆうじ】:あ、オレも食う。なんでまた「どうぶつクッキー」なんて買うかな、この男は。
【淳】:お前ら真面目にやれ。オレの結婚生活の行く末がかかっているのだ。
【Ormitte】:まぁ手後れなんだけどね、さっきキヨエさんにはメールで知らせておいたし。
【淳】:なんてことをしてくれたんだ、あぁもうダメだ。
【ようこ】:自業自得よ。それより日本のツチノコなんてのはどう?
【ゆうじ】:おいおい、ツチノコなんてホントにいるのかよ。
【Ormitte】:あれも鼻行類だな(断言)。
【淳】:ずいぶんと簡単に断言するなぁ。
【Ormitte】:ツチノコってだいたいこんな風に描かれることが多いけど実はちょっと違うと思うんだ。
【ゆうじ】:どの辺が?
【Ormitte】:よくツチノコはジャンプするってことがいわれてるんだけど
【淳】:まぁこんな形をしてたら普通はジャンプしようがないよな。
【Ormitte】:だろ?
【ゆうじ】:これにジャンプするための器官をくっつけリゃいいのか?たとえば関節のある細長い鼻とか。ってそりゃまるでトビハナアルキだな。
【淳】:随分と都合のいい話だな。
【ゆうじ】:もっときちんと鼻に特徴のある物の方が説得力があるよな。例えば天狗とか。
【Ormitte】:天狗ねぇ。しかしあれは鼻行類らしいところがちっともないし。
【ようこ】:それなら手塚治虫のマンガに出てくる御茶ノ水博士系のキャラは?
【淳】:それはただの鼻が大きい人だろう。
【Ormitte】:あの系統のキャラではやはり『火の鳥 黎明編』に出てくる猿田彦がいいね。
【淳】:そういえばあれが映画になった時、ウズメ*5役は由美かおるだったなぁ。あれは実はミスキャストであったように思うんだが。
【Ormitte】:そうそう、化粧を直してもあまり顔が変わらないという。
【ゆうじ】:だんだん話がずれてゆくな。まぁどうです、おにいさんも一杯。
【Ormitte】:おい、こら、勝手に人の焼酎を開けるな。
【ゆうじ】:麦焼酎「四街道」*6だって。入れ物は無駄に立派だな。
【淳】:何だかさ、結局ちゃんとゼミやるのが面倒になったからテキトーに色物で誤魔化そうってだけじゃないの?
【Ormitte】:失敬だな、君。ま、実はそうなんだけどね。
(以下、筆者の良心に従い非公開)


*0 私的諮問機関;そう言えば聞こえはよいが、結局ただの寄せ集めである。
*1 毎度ながら;とりあえず公になっているものはこれである
*2 ジャガー・チェンジ;豹変。山下洋輔ネタ。
*3 アナロジー;相似。鳥の羽とコウモリの羽のように由来は異なるが機能的に同じ形になっているもの。
*4 頭から足が出てる;タコは分類上「頭足類」と呼ばれる。
*5 ウズメ;騎馬民族にとらわれていて、化粧でその美しさを隠している。猿田彦の妻になる。
*6 「四街道」;そんな名前の焼酎は(たぶん)ない。有名なのは「二階堂」。


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