さて、前回から引き続き「総論」の部分を取り上げるのだけれども。今回は主に鼻行類の系統的位置について、つまり、鼻行類がどのような流れで様々な種を生じ進化していったのか、ということを中心に見てゆこう。
まずいわゆる「系統樹」というヤツね。これをいちいち解説する訳にはいかないのだけど、枝のまとまりごとにグループ分けされているのでそれを入れながら1〜26までがそれぞれ何を示してるのかを下に列記する。
と、まぁそういうことだ。それぞれについて詳しいことはこれから先「各グループの記載」で扱うのでその時に回すが、ここで重要なのは、鼻行類の共通の祖先は原始的な食虫目だと考えられるということ。鼻行類の中で最も原始的な形態を持っていると考えられるムカシハナアルキはハイアイアイに唯一生息する鼻行類以外の哺乳類、ヌマチトガリネズミと多くの点で共通したところがある。
そう、なんと言ってもキモはハイアイアイが白亜紀には大陸から離れてたってこと。つまり哺乳類はごく原始的なものだけが存在し、は虫類についてはあまり詳しい検討がなされていないけど、とにかく1種も生息していない。鳥類はある程度は他所から飛んで来れるけど、これもあまり種類は多くない。というワケであらゆる生息空間が鼻行類の祖先のために開けられていたということなんだな。だからこそこれだけ多種多様な鼻行類が生まれた。
上に挙げた系統樹はBromeante De
Burlasによるものだけど、これも今後の研究の進展次第では書き直す必要が生じるかも知れない。何しろまだまだ未知の種が存在することも十分に考えられるし、既知の種の中でも鼻行類に含めるどころか、哺乳類であるかどうかさえも疑わしい12,コビトハナアルキのようなヤツもいるのだからな。
なんだかひどくまとまりのないゼミになってしまったけど、次回からはもっと話が具体的になるから。いよいよ「各グループの記載」、まずは古鼻類からだ。