鼻行類ゼミ第2回

総論(その1)

May 18

 いよいよ鼻行類についての記述が始まるんだけど、今日の発表は誰の担当だったっけ?あ、きたろう君ね、いないじゃないか。そういえば「血沸き肉踊るぜぇ〜」とかよく分からない盛り上がり方をしてイトウの産卵を撮影しに行ったんだっけ。しょうがないな。レジュメだけは作って置いていったみたいだから代りに僕がやるから。
 この章では鼻行類のさまざまな特徴、そして系統的位置について述べられている。系統的位置、つまり鼻行類のそれぞれの種がどのように進化してきたのかという部分は次回にまわすことにして、今回はこの鼻行類の特徴全般について項目ごとに簡単にまとめてみよう。

nose.gif鼻の特殊な構造
鼻は一つのこともあるが複数のものもある。複数である多鼻類の場合、鼻の原基が胚(胎児)の初期段階で分裂し、それぞれが独立した完全な鼻を形成する(「完鼻的に」発生する)。右図はNasobema lyricumの胎児の頭部で、多鼻形成を示す。
四肢の退化
殆どの鼻行類で鼻が移動のための器官になっていることと関連して、その四肢は一般に退化していることが多い。前肢は捕食、体の掃除などに使われるため比較的よく発達していることもあるが、後肢はほとんど機能しないか、全く欠落していることも多い。
尾の発達
様々な機能を持つことが多い。把握器官、跳躍器官として機能することもある。
外被
多くのもので外被は一様な毛皮からなり、原始的な形質をとる。色はときに大変派手であることもある。また、種によっては完全に無毛のものもある。
食性
極めて多様である。昆虫食のものが多いが、果実食のもの、さらに捕食性のものもある。
運動性
飛翔能力を持つものが存在する一方、固着性および寄生性の種がいくつか見られる。その生息環境により様々である。
繁殖
一部例外を除き1回に1頭づつしか生まない。妊娠期間は平均で7カ月にも達する。
天敵
ほとんどいない。鼻行類以外の温血動物はヌマチトガリネズミの他、数種の鳥類のみ。爬虫類は生息していない。

 という感じなのだけど、まぁ、だいたいひとまとめに鼻行類の特徴を述べようというのはちょっと無理があるな。というのはハイアイアイにおける哺乳類すべて、といってもよいぐらいだから、種々様々な形のものがいるのは当然のことで、おっと、これから先は種分化、生態的地位(ニッチ)の話になるから次回にまわそう。


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