鼻行類ゼミ


5.18港南ハナアルキ宣言

Oct.13,1998

 今から3年前の5月、ある出来事がその重大さとは裏腹に実にひっそりと起こっていた。この瞬間から我が国における鼻行類研究の歴史は始まったのである・・・

鼻行類ゼミを開くにあたって(5.18港南ハナアルキ宣言) 発起人:若林輝

 この図を見てあなたはどのように感じるであろうか。一笑に附してバカバカしいと思う方もいるだろうし、少なからず興味を抱いた方もいるだろう。この図は「約3ヶ月の子を連れたシェムトクヴィスト ナゾベーム、Nasobema skamtkvistii(鼻行類の1種)」だそうである。鼻行類とは、その名の通り特殊な構造を持った鼻を持つことにより特徴づけられている。これらの鼻は単一のものもあれば複数のものもあり、これを使って歩くものもあれば飛ぶものもいる。世界で唯一、南海にあるハイアイアイ(Hi-Iay)群島にのみ住んでいた哺乳類の中の1目である。
 と、ここまで紹介はしてみたが、実は残念ながら鼻行類とは著者ハラルト・シュテュンプケによる空想の産物である、そうである。この本のどこまでが脚色かというと、すべてが脚色であり作り話である、そうである。だが、この本を完読してもそのタネ明かしは出てこない。つまり、信じてしまった人は、信じたままで本を閉じる、ということである。人間疑り深くなるときりがないが、ここまで首尾一貫した作り話を出版した裏にはさらなる事実が隠されているのではないか、つまり、実際に公表されていない新種の発見を隠しているのではないか、と思うのは考えすぎか・・・
 ここまでいうと信仰じみていて危ないのですが、要するに鼻行類という空想上の生物に親しもうという怪獣マニアのお遊びです。
 なお、信じるのはその人の勝手ですが、他人に信仰を説くのはやめましょう。笑われるだけでなく、嫌われる恐れがあります。
(1995年5月18日、都内某所にて)


「鼻行類ゼミ」復活!

Oct.6,1998

 さて、これからこのページではH.シュテュンプケの『鼻行類』(思索社)の内容を少しずつ紹介しながら、それについて様々な議論をするという「鼻行類ゼミ」をお送りしてゆく。実はこの「鼻行類ゼミ」、我々の仲間うちで実際に数年前に何回か開かれていたのだが、その後メンバーが勤め先の関係などで散り散りになり、自然消滅していたのだ。そこでこの度オンラインで復活させる運びとなったワケだ。
 第1回は本文中「序論」の部分をお送りする予定。できれば手元に本を用意することが望ましい。なお、『鼻行類』は思索社の他、博品社からも出版されている。また、この『鼻行類』を理解するためのテキストとして、カール・D・ゲーステ著『シュテュンプケ氏の鼻行類』(これも思索社、博品社の双方から出版されている)も入手されることをお勧めする。
 それでは次回。ちゃんと予習しておけよ。


沿革紹介

Aug.30,1998

 ここでは簡単に鼻行類研究所の沿革を紹介しておこう。

1995年5月 鼻行類ゼミ発足。詳細は不明だが、都内某国立大学構内にある朝突如として「鼻行類ゼミ参加者募集!」と書かれたビラが貼り出された。一説によると徹夜で呑んでいた勢いで発足したという。
5月18日 第一回鼻行類ゼミ開催。
5月21日 鼻行類研究所設立。
6月15日 第二回鼻行類ゼミ開催。
7月13日 第三回鼻行類ゼミ開催。
8月13日 鼻行類研究所品川支所設立。
10月 鼻行類ゼミは主力メンバーの脱会により活動を休止。事実上鼻行類研究所に吸収、統合される。
1996年2月 鼻行類研究所品川支所閉鎖。
1998年8月 鼻行類研究所ウェブサイト開始。

 なお、これらについては耳鳴山彦蔵著『私とハナアルキ』(1998年、逆巻書房出版)に詳しい。


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