出 演
藤川矢之輔
山崎辰三郎
瀬川菊之丞
河原崎国太郎
「茶壺」
「茶壺」は、岡村柿紅が同名の能狂言をもとに書きおろした舞踊劇。熊鷹太郎が麻估六の振りを盗み見しながら、真似る身振りのおかしみが見どころ。田舎者麻估六は祝い酒に酔い、いい気持ちになって茶壺を背負ったまま街道に寝てしまう。そこに通りかかったすっぱ(スリ)の熊鷹太郎。あたりに人がいないのを幸いに、しめたとばかり茶壺を盗もうとして言い争いに。騒ぎを聞きつけて土地の目代(役人)があらわれ、どちらが盗人かの尋問になるが・・・。
幕が上がると舞台いっぱいに咲き乱れた藤の花房。そこに藤づくしの衣装で塗笠をかむ藤の枝をかついだ、花の精のような美しい娘がひとり。
若い娘の恋心や酒に酔った様を、愛らしい仕草で可憐に踊る「藤娘」は、数ある日本舞踊の中でももっとも知られた作品で、初心者の温習会から、名優・舞踊家の大舞台まで、広く踊られている。