地人会「雁の寺」


作 /水上 勉
演出/木村光一


出 演

高橋惠子

嵐 広也

金内喜久夫


若狭の貧しい村に生まれた少年は、京都の「雁の寺」という寺院に口減らしのために預けられた。寺の和尚慈海(金内喜久夫)は、少年を慈念(嵐広也)と名付け、きびしい教育を施すと同時に、残酷ともいえるような勝手な振る舞いで慈念を痛めつける。その和尚慈海は寺の奥の間に里子(高橋惠子)という美しい女を囲っている。若い母性的な里子に対し、慈念は母を慕うような感情を持つようになるが、里子の方もまた、慈念をいとおしい愛で見つめ、包み込んでいった。三人の寺内での生活はやがて愛憎のいびつな関係となっていく。慈念は里子をいつの間にか母としての存在以上のものとして愛するようになっていたのだ。そんなある日、和尚が突然いなくなった。何故なのか誰にも分からない。その秘密は慈念だけが知っている。
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