劇団朋友「幸福」

素顔の幸福は、しみもあれば涙の痕もあります。
思いがけない片隅に、不幸のなかに転がっています。



作 /向田邦子 
脚本/宮川一郎 
演出/石井ふく子

出 演

長山藍子/益海愛子/小島敏彦/榎木孝明   

菅原チネ子/西海真理/深尾眞理/まきのかずこ

水野千夏/吉田葉子/悠木佳澄/松川美子   

河野郁夫/山口晴記/松井潤/榎本壮一    

清野公亘/岡本成師/外田能久/堤良彦    

鈴木昭生                  


<解説>

原作であるTVドラマ「幸福」は昭和五十五年(1980年)七月二十五日から十月十七日まで十三回に亙
って放映されました。同じ頃向田邦子は「思い出トランプ」所収の「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で
第八十三回直木賞を受賞しています。                               

 ドラマ「幸福」の世界は低空をジェット機が飛び、泥のたまった堀割が流れる羽田空港近くの町工場地帯
です。                                             
・・・とある夏の昼下がり、十年前に逃れるように去った運河沿いの町に主人公組子(長山藍子)が戻って
くる。飛行機の影、船のエンジンの音、かもめの啼き声、潮のかおり、鉄屑のさびた匂い・・・過去が瞬時
に蘇ってくる。                                         
−何年付き合っても何も残らない人もいるし、ほんのみじかい出逢いでも目の裏にやきついちゃう人もいる
−兄の婚約者でもあった組子への思いを胸に、小さな町工場で今も汗と油にまみれて働く無口な青年数夫(
榎木孝明)。組子との婚約を破って上司の娘(まきのかずこ)と結婚し成り上がって行く数夫の兄太一郎(
小島敏彦)。数夫を慕う組子の妹素子(西海真理)。数夫と同輩のスナックの経営者八木沢(榎本壮一)も
組子に惹かれている・・・。登場人物は皆私たちの顔見知りです。                  
 私たちと日常を共にする、なつかしい、いとしい人たちが素顔の幸福を求めてくり展げる傷だらけの愛の
ドラマです。                                          

<パンフレットより>


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