文学座「ふるあめりかに袖はぬらさじ」

今も昔も、メディアの魔力
瓦版たった一枚が創りだした攘夷女郎亀遊の伝説
だが、その真相は−
横浜遊廓岩亀楼、涙と笑いの人情喜劇



作/有吉佐和子
演出/戌井市郎

出 演

杉村春子/新橋耐子/南一恵/赤司まり子

七尾伶子/清水馨/立石まゆみ/山本歩 

渡辺多美子/石井麗子/三浦純子    

加藤武/三木敏彦/鵜沢秀行/清水幹雄 

仲恭司/原康義/関輝雄/外山誠二   

岡本正巳/押切英希/加納朋之/得丸伸二

高橋耕次郎              


<あらすじ>

 文久元年、吉原の三味線芸者お園は、攘夷論と開港論の渦巻く横浜の遊廓岩亀楼に流れつく。
そこには、同じ吉原で花魁だった亀遊が病に臥せっていた。お園と、岩亀楼の通訳藤吉の愛情あ
ふれる看病で病の癒えた亀遊は久しぶりに店に出る。その座敷にはアメリカ商人イルウスの通訳
として、想い人藤吉がいた。亀遊は悲運で皮肉なこの出会いに失神し、藤吉は狼狽する。亀遊の
美しさに感嘆したイルウスが身請けすると言いだすと、岩亀楼の主人は法外な値段で亀遊を売り
つけた。困り果てたお園が亀遊の部屋に行くと、亀遊は自らの手で命を絶っていた。     
 それから二ヶ月も経たぬ頃、妙な瓦版が現れた。遊女亀遊は異人に万金を積まれたが、紅毛碧
眼に身を汚されるよりはと、親より伝わる懐剣で喉を突いて見事な最期を遂げたと。しかも辞世
の一首まで添えられていた。                              
露をだにいとふ倭の女郎花       
ふるあめりかに袖はぬらさじ
 お園はこんな嘘をと笑うが、店には瓦版の噂を聞きつけた客が押しかけて大繁盛。機を見るに
敏な主人はさっそく、店を攘夷一色に衣がえ、お園もたちまち花形芸者になる。だが・・・。 

<パンフレットより>


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