2003年 未の年賀状 版画教室 v(^v^) by澤口尚子
版画は1年に一度、年賀状の時しかしませんが、パソコンが普及した今も、この手作りの良さが喜ばれるので続けています。もっとも郵趣のお付き合いが広がるとともに、差し出す数が増え、全員に版画を出すのは無理になり、今年は版画をスキャンして印刷したものもありますが。(^_^.)
そして版画は何版なのか、などのご質問を受けることも多く、こうしてHPがあるのですから、その工程をお見せしてみようと思いました。(^^ゞ
写真を撮り忘れたり、スキャンし忘れることもありましたが。(^_^.)
10月半ば、お気に入りの干支人形を探すことから始めます。
11/15の年賀切手発行記念のカードを作るために絵を描き、その絵から版画の元絵を描きます。
この時は熊本行きが直前にあったため、JAPEX前の10月中に絵を描きました。
昨年も年末ぎりぎりまでかかって大変だったので、今年は版数を減らさないとならないと思っていましたが、減らすと色の深みが出ないので悩みます。(^_^.)
左図は、線で面を分けたところ。
カーボン紙で版木に1版ずつ、写します。
見当を入れること、版画は逆になることを忘れずに。(^_^.)
切り出し刀でアウトラインを彫り、周りをさらっていきます。
彫りは絵の具の汚れが出ないように、とことん彫り下げます。
この板押さえは、手前はテーブルに引っ掛けるようになっていて板を向こう側に押す分には動きません。左手(板を抑える方)を彫刻刀の先に持って行かなくてよくなったので怪我がほとんど無くなりました。(^^ゞ
★1版目・3色★
顔は肌色の濃淡2色。
顔の輪郭を墨で取りたくなかったので、2色でぼかしを入れました。色を2色置いて、筆でなじませますが色が混じりすぎないよう注意します。
角、鈴、などは金色だけでは暗くなるので黄色を混ぜました。
★2版目★
顔のあご側に影を入れます。
汚い色にならないよう、濃すぎないよう、色調整に時間がかかりました。
★3版目★
未のふわふわ毛皮の部分。
今年は難しい紫系の色を使いたいと、淡い藤色で表現してみました。白、青、藤色を混ぜて調整します。途中で絵の具が無くなると大変なので、最初にたくさん作ります。
★4版目★
毛皮の影部分に濃い藤色。全体の色合いを想像しながら、色を作るのが大変です。(^_^.)
スキャンし忘れ・・・(>_<) ★5版目・2色★
背中の飾り部分の濃い緑、足元の草の淡い緑の2色。
草は淡く、でも黄身を強めにして後から重ねる色との対比を出しておきます。草は板目がうまく出たので、次の色を重ねるのをためらいました・・・。
★6版目★
草に濃い色を重ねます。
かすれてもよいので気が楽。むしろ濃くなりすぎないように気をつけます。色調整が難しかった。
★7版目★
飾りのリボン、梅の花の朱色。
これは追加で入れた版。リボンに立体感が無いので濃淡をつけることに。薄いベニヤ板は柔らかくて簡単に彫れるのですが、深く彫れないのですぐに汚れが出るし裂けやすいのが難点。もう使わないことにしよう。(^_^.)
★8版目★
濃い赤色。口と耳、リボンの影部分。
赤は版画絵の具では気に入った色が無かったので、不透明水彩のカーマインを使った。
★9版目・2色★
黒と藍色の2色刷り。
目と鈴の影が黒。ひとつひとつの人形に目を入れていくのと同じで一筆ずつ丁寧に。
藍色も版画絵の具と不透明水彩を混ぜて調整。
パソコンで文字を入れる。
「2003」の文字を羊に合わせて、藤色を作り、優しい感じに作ってみた。羊雲のようでうまく調和が取れたと思います。(^.^)
表の印刷と、宛名印刷を済ませてから、落款を入れます。印肉がなかなか乾かないので、1枚ずつ合紙を入れて。
これでほんとうに完成です。(^.^)

顔の部分の拡大画像。

足元の拡大画像。

3版目の版木、彫りの最中。

4版目、刷り終わった版木。

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