between the sheets

written by 桜花さま


































まどろみの中

君の描いたシーツの波に、僕は君の姿を探す。

まだ残る君の温もりを辿って、無意識に手を伸ばす。



けれど、いつまでたっても
この指は君の姿を見つける事が出来ない。


僕の手の平は、シーツの上を撫でるように彷徨う



けれど・・


君の姿は無い。



『フランソワーズ?!』


僕の意識は一気に覚醒する。
慌てて起き上がるけれど、まぶしい光の中に君の姿はない。


僕は一つ溜息を吐き出すと

僅かに残る君の温もりを求めて
君がいたことを表す皺を伸ばすように、再び横たわる。



「まだ、皆には内緒にしたいから・・」

「今は、皆も此処に帰ってきてるから・・・」

そんな事を理由に、いつも君はこのベットを抜け出してゆく。





頬を摺り寄せたシーツから、仄かに君の甘く、優しい香りがした。


このベッドにも、シーツにも、そして僕自身にも・・・
染み付いてしまった君の香り。



君の残り香を抱きしめながら、僕はいつも思う。


この香りを纏いながら、
僕はこれから、どれだけ眠れない夜を過ごすのだろう?





僕は途方にくれながら
君と僕が、これまでこのシーツの隙間に持ち込んできた沢山のものを思い浮かべた。



それは・・・
溢れるばかりの愛しさだったり、激情だったり、衝動だったりした。

死と隣り合わせた後の、恐怖だったり、狂気だったり、癒しだった事もある。

時には、切なさや、嫉妬や、どうしようもない哀しみだって持ち込んだ。



きっと、これからも
君と僕のビトゥイーン・ザ・シーツには、色んなものが横たわるに違いない。







開かれた窓から入り込んだ風が、カーテンを揺らしている。

ベッドサイドに君が飾った薔薇の花びらが、風の勢いにのって舞い落ちてきた。



真っ白なシーツの上に、散らばる真紅の花びら。






僕もいつか・・

こうして、血を流しながら倒れる時がくるのだろうか?



激しい爆音が轟く、荒れ果てた大地。

うつ伏せのまま動かなくなる自分。

すべての機能が停止して、白く霞んでゆく視界。




けれど・・・



僕はきっと、意識が途切れる、その最後の瞬間まで・・

君の温もりと、この香りを求め続けることだろう




その時・・・


僕の手の届く距離に、君はいてくれるだろうか?







僕はそっと瞳を閉じる。




せめて、その時だけは

安らかな眠りが訪れてくれる事を、夢に見ながら・・。












<管理人より>

桜花様より、このうつ伏せジョーにスッテキな文章を付けていただきました〜。でへへ〜。読んでてドキドキしちゃったデス。私としては、このジョー君ある意味情けな〜い姿のように見えてしょうがなかったのですが(え?どういう意味か?・・・・・・それはこの際分からなくていいです)、こんな素敵な文章がつくと、情けなさがどこへやら!
何とも切なげなイラストに変身してしまったではありませんか〜〜vvv
桜花さん、さすがです!!!
ありがとうございます〜〜〜〜〜vvvv

そしてさらに・・・・例のブツもお待ちしております。(邪)















































between the sheets






2003-12-05