The first dream
J | |||
ベッドの軋みでふと目が覚めてしまった。 辺りはまだ暗い。 ボクのすぐ傍らには 月明かりに、きらりと、亜麻色の髪が光っている。 「うん・・・・」 無防備に寝返りを打つキミは、まだ夢の中。 そうだよね。無理ないよね。 キミは暮れからずっと、大活躍だったもの。 みんなで集まっての徹夜のクリスマスパーティー。 翌々日の大掃除、そして、新年の為の準備。 大晦日からの年越しパーティー、そのまま皆で繰り出した二年参り。 そして、浜辺で初日の出を拝んで、 帰ってからまた、宴会になだれこんじゃって・・・。 つい何時間か前にようやく、今年初めて二人っきりになれたんだよね。 「・・・・・・・ジョー・・・・・・」 不意に名前を呼ばれて、ドキッとしてしまった。 起こしちゃったのかな?って・・・。 キミはまた寝返りを打って、今度はボクに抱きついてきたけど、 でも、やっぱり、キミは夢の中・・・。 キミの夢の中のキミとボクは、どうしているんだろう? キミは幸せそうな顔をして眠っているから、 キミの夢の中でもきっと、キミとボクは幸せなんだろうね。 今のボクらみたいにね。 いいよ、このまま朝まで眠っていて・・・。 でも、もうちょっと、このままキミの寝顔を見ていさせて。 |
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F | |||
名前を呼ばれたような気がして、目が覚めてしまった。 突然、眠っている筈のあなたの腕に力がこもる。 息苦しくなるほどの力で抱き寄せられる。 何時の間にかついてしまった、あなたのクセ。 私を抱きしめて眠るクセ・・・。 ある時は、私を包み込むようにして・・・。 他のある時は、私の胸に顔を埋めるようにして・・・。 あどけない、子供のような表情(かお)をして・・・。 うふふ、さすがのあなたも疲れちゃったわよね。 クリスマスからずっと、大変だったものね。 特に大晦日からずっとみんなと一緒に徹夜だったんだもの。 やっとのことで何日ぶりかで二人っきりになれたのが、つい何時間か前のこと。 「・・・・・フ・・・ラン・・・」 うふふ、あなたの夢の中でも、私達は一緒にいるのね。 あなたの寝顔はとっても幸せそうだから、 きっと、あなたの夢の中でも私達は幸せなのね。 そう、今の私達みたいにね。 あ、もう少ししたらみんなが起きてくる時間ね。 でも、あとちょっとだけ、このままでいさせて。 あなたの腕の中にいさせて。 あなたの寝顔を見ていさせて。 |
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大晦日から元日にかけてのドンちゃん騒ぎの穴埋めをするかのように眠りこけていたメンバー達が起きてきて、全員が揃って朝食(?)のテーブルについたのは、もう昼近くのこと。 暮れに、フランソワーズと張々湖が用意したおせち料理は、もう、昨日の段階で食べ尽くされ、朝食のメニューは普段と同じ。 そして、明後日、4日からはそれぞれの場所での、日常の生活が待っている。 朝食後には、みんなでいっしょに写真を撮る。 それが誰かの誕生日などで全員が揃った時の習慣になっている。 何枚目の写真からか、フランソワーズの隣にジョーが寄り添うように写っている。 それが、昨年のお正月に撮ったものは肩を抱いていた。最初、目の錯覚かと全員(もちろん、当事者の二人を除いて)が思ったが、「やっと・・・・」と安堵したのもまた、全員だった。 「なぁ、ジョー、日本じゃ昨夜見た夢を初夢っていうんだってな。」 写真を撮るべく、リビングに全員が集まっている時に、不意にジェットが聞いた。 「うん、そうだけど・・・。」 「じゃ、初夢で見たことが本当になるってのは、どうなんだ?」 「え゛?」 (いい夢を見られるようにって、宝船の絵を枕の下に敷いて寝るっていうのはきいたことがあるんだけど・・・) と、ジョーが首を傾げていると、 「お前はどんな夢を見たんだ?」 とジェットは質問を変えた。 突然だったので、心の準備が出来ていなかったジョーが、思わず答に詰まって真っ赤になっていると、 「じゃぁ、お前はどうなんだ、フランソワーズ?」 急に矛先を向けられたフランソワーズは、真っ赤になりながらも 「なんで、急にそんなコトを聞くのよ」 とジェットに切り返した。 が・・・!! 「別に、他意はねぇよ。でも、気になったからよ〜。もしかして、二人して初夢を見てる暇もなっかたりして・・・なぁんてよ!!!」 という、ジェットの爆弾発言(?)に 「「え゛////ボク達(私達)は別に、そんなんじゃ・・・」」 と、半分墓穴を掘っているような二人・・・。 ((初夢、見ることは見たけど・・・みんなに話せるような内容じゃなかったし・・・/////)) 周囲にいる仲間達は、笑いを堪えるのに必死で、気の毒な(?)二人に助け船を出してやることすら忘れているようだった。 今回の写真は、当然・・・真っ赤になって俯き加減の二人(それでも、ジョーはしっかりとフランソワーズの肩を抱いていた!)と、今にも吹き出しそうになっている他の面々が写っていた。
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