熱いぜ組長


どの地域にも自治会なる組織は存在していると思う。
俺が住むこの土地にもその組織は存在し、賃貸のこのアパートを契約する条件にも自治会に入会することが求められた。
どうでもいいような内容しか書かれていない回覧板がやたらと頻繁に回ってくるので、えらく熱心な自治会だなぁ、くらいにこれまでは思っていた。

先日どういう理由からか、回覧板を回す順番が変更になり、俺の所が末尾となったため、俺が組長の所まで回覧板を戻す役目を担うこととなった。そして組長と話をする機会が自然と出来るようになったのだが、どうやらこの組長はここ最近に新しく組長になったらしい。そしてこの自治会という組織に非常に疑問を持っているらしい。
自治会名簿を作るという理由で、必要以上に個人情報を聞かなくてはならない事への疑問や、自治会費から強制的に引き落とされる、本来は「任意の」募金であるべきはずの、赤い羽根や緑の羽の募金の仕組み、そして行政が本来は行うべきの業務までもを自治会に強制的に行わさせていることなどを、その都度熱心に俺に話して聞かせるのである。
単なる老人の愚痴かと思っていたが、ポストに俺宛の名前で入れられていた大きめの封筒には、各種新聞や雑誌の切り抜きのコピーが入れられ、目を通しておいてくださいとある。蛍光マーカーがひかれたそれは、現行の政治・政党批判が含まれる物だった。
思想や発言は自由だが、押し売りはまっぴらごめんなのである。
熱いを通り越して、少々怖い感じがした。

2005.5.9.




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