野球が好きな人って多い。
プロ野球観戦が好き、という意味での「野球が好き」である。
自分では野球をする訳でもないのに、野球選手の批評や、監督の采配について、またそれを報道するテレビの解説者のコメントに対しての批評まで、野球好きの人達はいろいろと語りたい事があるようだ。

俺にはお気に入りの野球チームもなければ、野球そのものについて興味がない。
社会人として、ある程度の話題には付いていけるだけの知識は必要なんだろうか、と思い悩んだ時期もあったが、今はどうでも良い感じ。

プロ野球でも、高校野球でもそうだが、自分の出身の地域や、地元のチームを応援したがる人が多い理由は何なのだろうか？素朴な疑問である。

俺が高校生だった頃、音楽教師が授業中に「今年優勝した学校は？」と生徒に対して質問した事があった。ちょうど夏の高校野球が終わった時期であった。
指名された俺は、マジで高校野球なんて興味がなかったので、答えられなかったのだが、、「同じ高校生なのにそんな事も知らないのか」とその教師に言われ、そして何だか恥をかかされたような気分になった事を覚えている。
なんで音楽の授業中にわざわざそんな時間をとってまで、俺は恥をかかされなければならないのかと、ずいぶんと屈辱的な気分になったものだ。

社会人になってからは、とある取引先の営業担当の人がうまい事をいっていたのに共感を覚えた。「野球と宗教の話題には、自分の事を語らないようにしているんですよ」だって。
その人は、以前に自分のひいきにしている野球チームの事を語った事により、得意先との商談がうまくいかなくなってしまったのだと言う。そんな事と思う無かれ、本当に熱狂的でヤバい人もいるので、これには俺も気を付けようと思ったものだ。
そう、野球も宗教も一緒なのである。
自分が信じる神に対して、他人から批判めいた事など言われようものなら、それは自分の崇拝する神を冒涜されたにも等しい事なのである。


日本シリーズ、ダイエーが優勝した。
俺の働く店舗から高速道路を使って1時間もかかる距離に位置する、ダイエーの息のかかったベルシャインという店舗の「優勝セール」の新聞折り込みチラシが巻かれた。
ずいぶんと広範囲にチラシを巻いているんだなぁ、という感想を持ちつつ、こういったお祭り要素の高い商売を出来る事にうらやましさを抱いた。
チラシを見ていて思った事。
日本ハム　シャウエッセン 1束(170g×2個)　389円
俺の店では標準価格580円の品である。安い。
しかし、何でダイエーの優勝セールで、日本ハムの品を目玉商品として販売するのだ！？なんて思ってみたり。

マスコミの報道の仕方を見ていての感想。
ダイエーホークスおめでとう！という切り口ではなく、阪神タイガース残念！という報道のされ方がやけに目に付いた事。俺にしてみればどちらでもいい事であるはずなのに、こういう些細な事がやけに気になるのは何故なのだろうか。

2003.10.29.