これについての詳しい説明は、財務省のサイトの
平成16年4月から「総額表示方式」がスタートします という記事にて閲覧することが出来る。
小売店等では、今まで商品本体価格のみを表示していたが、消費者は実際にはレジにて幾ら払えばよいのかが判りにくい。それを是正するのがこの新しい法律の目的なんだそうである。
今までは 「1つ 100円」と表示されていた商品を1つ購入した場合、消費者はレジにて消費税分の5円を加えた「105円」を支払う必要があった。
これからは 小売店は「1つ 105円」と表示し、消費者はその表示されている通りの金額をレジにて支払えばよい、となる。
しかし、これはあくまでも、これは消費税率が
5% という計算上での話である。
消費税率が今後も5%のまま、という事はあり得ない。
かなり近い将来にこの消費税率は改訂される物と推測される。
現行の外税方式のままでは、消費税率を上げた時に、消費者の税金の上げ幅に対する嫌悪感、不信感が
もろにお上に集中してしまう。
ところが内税方式にしておけば、値上げ分が、商品価格の物なのか、それとも税金分なのかが消費者には判りにくい。これが今回の法改正の狙いであるのだろう。
たばこや、
ガソリンの価格表示はこの方式である。
つまり、たくさん税金を上乗せしたい場合に、「たくさん税金が上乗せされていること」を消費者に判りにくくするための仕組みなのである。
たばこは、1箱270円の商品の場合、各種税金はそのうちの 170.70円 で税負担率は 63.2% という計算になる。
ガソリンは、1リットル100円の場合、各種税金はそのうちの 約61円 で税負担率は 約6割 という計算になる。
高額、高率の税金を常に支払っている、という現実を消費者には判りにくくしている仕組みである。
そして今回の 消費税 の話である。
消費税はたばこやガソリンなどという特定の商品ではなく、非常に幅広く消費者にとって関係する税金である。
今後、消費税率がどのように改訂されていくのかは知らないが、消費者に対して税金の上乗せを感覚的に判りにくくするための仕組みが既に着々と作られているのである。
俺の知る限り、現段階でマスコミ等のメディアはこの 総額表示 についての報道をろくにしていないように見受けられる。
国の政策にとって必要な税金なら、その理解を求めるのが先なのではないか。
ずるがしこいと受け止められても仕方の無いような、より消費者にとって税金の仕組みを判りにくくするような法律ばかりを作って、いったいどうしようと言うのだ。
俺は本音で話をしない奴が大嫌いだ。
ごまかしや言い訳ばかりしている奴らが特に大嫌いだ。
何故、必要な事をきちんと筋道を立てて、筋を通して、話を進められないのか。
テキトーにごまかされていても、理解出来ずに何となく受け止めて過ごしてしまう人間が多数を占めるから、こういう事態がまかり通ってしまうのではないか。
本音を言い合う事によって、ぶつかり合ったとしても、俺はその方が好きだ。
見えるもの、見えないものを問わず、誰かに遠慮したり、誰かをごまかすことなく、本音で言い合う事の出来る環境こそがいちばん大切なのではないか。
2003.10.8.