煙草ネタ


久しぶりに本社に行った。
喫煙室という名前のパーテーションで区切られた小部屋があるのだが、その中の様子が以前と変わっていたのに驚かされた。

以前は、喫煙を奨励するメッセージがベタベタと壁に貼られていたのだが、いつの間にやらそれらは一切無くなっており、代わりに喫煙がどれだけ有害かを示す、禁煙の薦めのポスターが一枚だけ貼られていたのである。

今年の5月から「健康増進法」という法律が施行されている。
公共の室内空間において、望まずに受動喫煙を強いられる人を救うための法律である。
喫煙スペースを設置する場合は、仕切りなどを用いて完全にその他のスペースと区分する義務が施設管理者に求められる。それが用意出来ない場合は喫煙スペースの設置は不可である。
法律とは言え、特に罰則規定も設定されておらず、推奨義務としての意味合いが強いようだが、嫌煙・禁煙者の声が強い風潮のもと、あちこちの公共施設において一斉に灰皿が消えた事は皆さんも承知の通りの事実である。

本社の喫煙スペースは完全に仕切りで区分されており、法律上のハードルはクリアしているにもかかわらず、何か人の目を気にしているようである。
照明を点けるためのスイッチも「節電」と書かれたシールで封印してあり、煙草を吸う人間には明かりを点けるためのエネルギーの消費も許されない状況になっていた。
なんだそりゃ!?である。

以前に貼られていた、喫煙を奨励するメッセージと言うのは、「この幸せを知らない可愛そうな禁煙者」、「便所の前にこんな至福の場所があって最高だ」、「今日も人より多く納税し」、「愛国心いっぱいの同士達よ、これも世のため人のため」、「これで死ねるなら本望」だとか、まぁ、奨励というか、今思えば被虐的な類の物だったのだが、川柳っぽいのやら、散文的な物やら、いろんな作品があり、刺激的な事は確かであった。
正確にこれらの作品を全文ここで引用したいのだが、残念ながら俺の記憶力の乏しさではまず無理だし、剥がされてしまった以上、もう一度見たいと思っても、もう目にする事もないのであろう。

煙草は人類にとって必要なものかどうかを真剣に議論するのはナンセンスであると俺は思う。少なくとも今の俺にとっては必要だし、誰に何を言われようが、さらに高率な税金を課せられようが、きっと変わらないであろうと思う。
逆に吸わない人というか、毛嫌いする人の率直な意見をもっと聞きたいと思う。
世間が嫌煙の雰囲気だから、と言う理由だけでは説得力は全く無い。

臭い、汚い、火を使うから危ない。
健康ブームの中、健康を本人・他人を問わずに損なうから。
とにかく格好悪い。
精神的に弱いのでは(?)
俺が想像する以上の違う意見を聞きたい。

どんな事にも光と影があり、影があるからこそ光があるのだとも思う。
かなり下手の表現で影と言ってみたが、少なくとも法律でその存在を認められ、そしてルール・マナーを守っている限り、とやかく言われる筋合いなど全くないのだ。って言うか、人の目を気にし過ぎる喫煙者が嫌煙者の声を持ち上げ過ぎているのだとも思う。

ルール・マナーを守れない人間が喫煙者に多い事も事実だと俺は認識している、悲しい事ながら。

この7月から煙草にさらに税金が上乗せされた事はまだ記憶に新しい。
これを機に煙草を止めます、なんてマスコミのインタビューに応えていた愛煙家は今頃どうしているのか。実際俺の周りで値上げを理由に煙草を止めた奴なんて極々少数である。俺の勤務先の実際のデータでは煙草の売上金額は、値上げにより大幅にアップしているのが現実である。値上げしているのだから当然と言えば当然である。
不景気、消費低迷がキーワード・・・と言うよりも当たり前の感になってしまったこの御時世の中、煙草の売上金額は右肩上がりなのは事実なのである。

先進国、後進国という表現は適切ではないのかもしれないが、煙草に関しては日本は後進国なのだそうである。
人の幸せはどうやって計られるのか、まぁいろいろあるだろうが、俺は煙草を吸う事が幸せの一つである。
俺の幸せはその程度なのである。

俺は煙草を吸う事が幸せの一つである。

あなたの幸せは?

2003.9.12.




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