優勝セール


今年の阪神タイガースの勢いにはすごい物がある。
18年ぶりの優勝まであとわずかという所まで来ている。

俺は野球にはまったく興味はないのだが、その俺でさえこの話題に関するネタをここに書いているのである。
マスコミ報道では阪神が優勝したら経済効果が○○億円とかやっているが、どういう計算方法なのか詳しくは判らないなりにも、実際にそれなりの大きな効果はあるのだと思う。

俺の勤めている企業の本拠地は愛知県である。
中日ドラゴンズの優勝が絡んだ時は過去に会社を挙げて、応援セールならびに優勝セールを大々的に開催した。しかし今年は何の連絡も指示もない。

社会的現象とも呼べる今年の阪神の活躍に便乗しない手はない、と俺は思うのだが、どうにも会社の上層部の頭は固いようだ。
あまりに会社としての対応が遅いので俺は直属の上司に「優勝セール」開催の直訴をしたのだが、結果的にはNGとなってしまった。
阪神タイガースの名前を使っての商売にはライセンス契約が必要なこと。それだけの理由である。ライセンス契約を結んでいないから優勝セールは出来ないと。

しかし、である。よくよく話を聞いてみると、関西エリアに出店している2店舗においては事前に準備を完了し、優勝セールを開催するのだそうである。
これを聞いて俺はぶち切れそうになった。
会社の経営者を気取っているやつらに対してぶち切れそうになったのである。
優勝セールって誰のために、何のために開催するのか!!
関西エリアの店舗の顧客は全員阪神ファンなのか!?
消費機会拡大の為の便乗の優勝セールなんだろう?
なぜチェーン展開している他の店舗では開催しないのか?
消費者が求めていることを理解しようとする気はあるのか!?

近隣の同業他社においては「優勝の決まった翌日より優勝セールを開催します」との告知が、既にもう幾日も前から張り紙やのぼり等の販促ツールで行われている。一歩も二歩も出遅れているって言うか、完全にこの企業は取り残されているのである。
俺が直訴した上司はあちこちに電話したりして、優勝セール開催実現に対する折衝をしてくれたのだが、「勝手にやってはダメだ」「ライセンス契約をしないと」の結論である。
そりゃもっともな話であろう。一部上場企業がゲリラ的な便乗商法をする訳にはいかないであろう。だからこそ関西エリアの2店舗においてはきちんと準備を進めてきたのであろう。それがなぜ全店舗において開催出来ないのか。

憤りを通り越して、情けない気持ちである。
消費者の気持ち、お客様の買う身になっての気持ちを理解しろ、と日頃から俺たちは言われ続けているのである。格好つけ過ぎだって。
単なる野球ファンだけの話題を超越して、今年は社会現象と言っても過言ではない程の話題性のある一大イベントだと思われるのだが。

明るい話題や、お祭りごとに便乗するくらいの気持ちがなけりゃ、いつまでたってもよその後ろ姿を見ているだけで終わっちゃうよ、ホントに。

2003.9.9.




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