ポケットの中のガム


忌まわしき記憶の1つや2つ、誰にだってあるだろう。
あれは小学生の頃だったか、学校の行事でどっかへ泊まりがけでキャンプに行った時のこと。
数名ずつのグループに分かれて、それぞれが用意した「だしもの」をする事になっていた。どのグループも事前に練習や準備をしっかりとしていたようだった。寸劇やダンス、パントマイムや手品を披露して拍手喝采を受けるグループの中、ろくな準備もしていなかった俺たちのグループは散々なものだった。
♪ポケットの中にはビスケットが1つ〜、叩いてみるたび・・・
この歌の替え歌で、ビスケットの部分をガムに変えて、ポケットの中にあらかじめ用意しておいたガムを取り出して・・・というだしもの。
やっている本人たちも、まったく面白くなかったし、実際本当に面白くなかったので、見ている人たちもシラケきっていた。
終わった後のあのシーンとした気まずいムードを、今でも鮮明に思い出す。

やっている本人たちが面白くないものを、見ている人たちが面白いと思うはずもない。
イヤイヤやっている事がはたから見ていて分かってしまう事ほど、見る側にとってつまらないものはない。

やるからには真剣になってやれ。
この教訓は今、生かされているか。

2000.5.29.




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