顔の印象


俺は近視だ。
眼鏡無しでは車も運転出来ないし、まともな生活を送るのは無理だろう。
日本人の7割は眼鏡等で視力を補正しているのだと聞いた。日本人はそんなに勉強家なのだろうか、それともテレビ好きな民族なのだろうか?
日本以外の他の国のデータを知らないのに、7割という数字がどの程度のものなのか比較のしようがないか。

コンタクトレンズを使うようになってから約3年。ここ最近は使い捨てのコンタクトレンズにしてからというもの、メンテナンスや精神衛生上の問題でも、非常に快適だった。
しかし、である。使い捨てのコンタクトレンズというのは、使えば使った分だけ消費されて無くなってしまうので、定期的に次のレンズを購入しなければならないのである。さらに面倒くさい事に、医師の診断書が無ければレンズを売ってくれないという決まりがあるらしく、コンタクトレンズを購入したいだけなのに、健康保険証を持って行かなければならないのである。
たいていのコンタクトレンズ販売店は、すぐ隣なんかにおかかえの眼科医を抱えていたりするのが不思議である。どの医者に書いてもらった診断書でもいいはずなのに・・・。コバンザメ商法とでもいうのだろうか。

眼科医の先生が暗い部屋の中で、明るいペンライトみたいな物を使って俺の目を照らしながら覗き込むのである。今回の検査はいつもより何故か念入りだ。妙に時間をかけて検査しているのである。そう、嫌な予感は的中した。俺の黒目に傷が付いているというのである。涙が少なかったりして乾いたりした時にレンズがこすれて目に傷が付いたり、またレンズをはめたりはずしたりする時にも傷を付けてしまう事があるのだという。
本人は自覚症状などまったく無く、とっても快適にコンタクトレンズを装用していたのだが、それを聞いた途端ちょっとびびってしまった。まぁ傷とは言ってもたいして事はないので1週間ほどコンタクトレンズをはめない生活をすれば治ってしまうのだそうだ。

と、いうわけで眼鏡をはめて会社に行ったら、周りの皆の反応が面白かった。
俺の顔の印象がぜんぜん違うのだそうである。会う人会う人に眼鏡の事を指摘される。「あれ、眼鏡をかけるようになったの?」、「目、悪かったんだっけ?」、「ついに老眼!?(笑)」、おいおいって感じである。
最初の頃は、ちゃんと説明してたんだけど、あまりにもいちいち聞かれるので、だんだん説明するのも面倒くさくなっちゃって、「ええ、眼鏡かけるようにしたんです」とか簡単に答えちゃったりして。
揚げ句の果てに「その方が落ち着いて見えるよ」なんて言われた日にゃどうせぇっちゅーの。
人を見ためで判断しないように。

2000.3.21.




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