爆笑問題とサザン


昼の休憩時間、いつもの喫茶店で俺は週刊ポストという下品な記事がたくさんつまった週刊誌を読んでいた。たいていは週刊マンガ雑誌か新聞を手にすることが多いのだが、今週発売のマンガ雑誌は読破してしまっていたので、しかたなくって感じ。
最近お気に入りのマンガは、チャンピオン連載の「浦安鉄筋家族」・「BM -ネクタール-」・「麻雀鬼ウキョウ」・「バキ」、アクション連載の「SL航太郎」、モーニング連載の「かばちたれ」、週刊少年ジャンプ連載の「こち亀」・「ルーキーズ」・「ワンピース」・・・こんな所だろうか。こうして列挙してみると結構な数のマンガを読んでいるなぁ、俺。あと、この喫茶店に置いてなくて読めないでいる、ヤングマガジン連載の「頭文字D」も好き。

・・・そうそう、今日は下品な雑誌を手に取ったのだ。俺は小心者なので女性のヌード写真が載っているような雑誌は人前で読むなんてドキドキモノなのよ。 その雑誌の中で 爆笑問題 が、「官庁のホームページにハッカーが侵入」という事件の話題について語っていたのを興味深く読んだ。ホームページに侵入じゃなくてサーバーに侵入だろうとか、ハッカーじゃなくてクラッカーって言葉を使って欲しいなとかいろいろ俺なりに感じる事もあったが、興味を引いたのは侵入される方にも問題があるというコメントだった。うんうんなかなかイイコト言ってるじゃん、って感じ。あの一連の事件は破壊工作やメッセージ色の強いコメントを掲載する事が目的じゃなくて、いつでもこういうことができるんだぜっていう犯人グループの力を誇示するのが目的だったのでは、という見方をするのが自然だろうね。その点では彼らの言おうとしている事に共感出来た。
しかしそこから話が飛躍して、「個人ページで勝手にサザンを応援しているページを見た」という話に変わったあたりから、ちょっとおかしくなった。「コンサートを見に行ってその批評をしているんだけど、曲順とか構成とかが良くないって批評してるのよ。主催者側が考えてああいう形にしている物をどうして個人が批評出来るのか。深く考えれば判るはずじゃないのか。インターネットでは誰でも自分の言いたいことを簡単に言えるけど、それは間違っているんじゃないか」、とまぁ原文は忘れちゃったけどこんな事を彼らは言っていた。
もっともらしく聞こえるが、俺は彼らのその発言の内容に対して非常に強い反感の意を感じずにはいられなかった。言いたいことを言って何が悪いのだ。自分が感じた事を文章にして発表して何がいけないというのだ。批判じみたことを言おうとすれば、それに相反する感情を抱いている者とは衝突じみた事も起こるだろう。そう言う場合に相手の言おうとしている事に耳を貸さないで、自分の主張だけを押し通そうとするやつは俺も苦手だが、お互いに言いたいことを言える環境こそが大切なのではないか。
公式な場、もしくは公式風な雰囲気を勝手に装った場での勝手な思想の発表・発言は、それに接する多くの人をも混乱に陥れる危険性があることは否めないので、それは決してすべきではないと俺も思うよ。個人がやってるホームページにある情報の信憑性なんて無いに等しいと俺は思ってるし、そこで交わされる発言の内容なんて、「そういう考え方をする人もいるんだなぁ」くらいにしか誰も捉えてないって。
テレビや雑誌などのメディアと比較して、インターネットというメディアが決定的に違う所は、情報が流れる方向が一定ではないという所だろう。それこそが一番の魅力だと俺は考える。正確に言えばテレビや雑誌などでも視聴者や読者からの意見や声は製作者側にフィードバックされているのだろうが、そのスピードはインターネットの比ではないだろうし、誰でもがその番組の制作者になり得る事が出来るのだ。

インターネットにつなげているすべての人に言いたい。見ているだけじゃなくて参加しよう。自分の言いたい事をもっともっと言おう。賛成意見ばかりじゃなくて、たまには反対意見も言ってみよう。そして反対意見に出会った時には、相手に対して自分の主張を押し付けて通そうとするのではなくて、相手が何故そういう考え方をするのかという事を考えてみるのもいいかもしれない。
批判や指摘は、される側にとっては決して気分のいいものではないが、たくさんのお世辞の言葉よりはきっと自分にとって有用になるに違いない。

2000.2.20.




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