パンク


昨日はまれにみる強さの台風が俺の住む地域を通過した。
自然の力というものは、いかに強大で、その前には人間などというものはいかにちっぽけなものであるかという事を思い知らされた。
様々な人造物はたやすく破壊され、そして人々は恐怖した。

嵐がおさまっても、しばらくは慌ただしかった。

公共交通機関が停止したため、家族のひとりが家まで帰って来れなくなった。
俺が車で迎えに行ったのだが、誰しも考えることは同じとみえて、交通量は非常に多く、機能しなくなった信号機や、暴風のために飛ばされてきた看板などの障害物で道路は所々塞がれており、まともな状態ではなかった。

連絡をとろうにも、頼りにしていたはずの携帯電話がまったく機能しなかった。
多くの利用者がいっせいに携帯電話を使用しようとしたために、回線がパンクしたらしい。
そんなものを頼りにしていた自分が情けなく感じ、少しばかりの憤りを感じずにはいられなかった。
日頃、どれだけ自分がこんな物に頼り過ぎていたのかという事を、嫌というほど思い知らされた。
「いつでもどんな状態でも連絡をとれる」と言う安心感。非常時の本当に必要としている時に頼りにしていたものが使えなくなってしまったという現実。

今回の事例に留まらず、すべてに共通することなのではないか?という考えが頭の片隅をかすめた時、あらゆる状況を自分の頭で考えて行動する事の大切さと、過剰な期待は裏切られるということを理解した気がした。




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