はじめてのおしゃれ


俺は「おしゃれをする」ということに目覚めるのがとても遅かった。
現在でもおしゃれとは言えないのだが。まぁ身だしなみ程度だね。

中学の卒業アルバムを見るとひどいものだ。クラス写真の俺を見ると、寝ぐせ頭バクハツ状態なのだ。他の奴等の髪型を写真で見ると、きっちり分けているか、前髪だけを額に少したらしていたりして、なかなかお洒落っぽい。

高校生になってからだったろうか。頭の毛をいじるようになったのは。それ以前はドライヤーを使うということすらしなかったのだ。
整髪料とやらを使うと髪の毛をセットするのに都合がいいということをこの頃知るのだが、どんなものを買ってくればいいのかまるで見当が付かなかった。それで確か父親に相談したのだと思う。
その頃の整髪料の主流はムースだった。これは後で知ったのだが。
しかし俺が初めて自分で使った整髪料は「バイタリス」と言う名前のヘアーリキッドであった。現在でも売れているのかどうかは知らないが、結構昔からある商品らしい。
これはとってもベタベタする液体で、髪の毛だけに付けているはずなのに、汗で流れて落ちてくるのかおでこがベタベタして気持ちの悪いものだった。そう、付けた時だけではなく、ドライヤーをかけた後もベタベタするのだ。おまけにもともとクセっ毛のある俺の髪の毛をセットするのには力不足だったのか、友達の様にカッチリと固まらないのが不思議であった。
その後しばらくして、整髪料にはいろんな種類のものがあり、固める為にはムースやスプレーなどを使えば良いことを知ったのであった。
それ以来ずっと、いろんなものを試し続けて現在はジェルタイプの整髪料を使うことに落ち着いている。なでつける程度でほとんど髪型にはこだわりがないのは現在でも同じなので、何を使っても一緒なのかもしれないが。





HOME 伝言板