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K's Room Odds & Ends

なにやらうるさい!



 電車の中という限られた空間の中での独自のマナーと呼べるようなものが取り沙汰され、乗客の間でそれなりには浸透してきているようである。なんのこっちゃと言えば、携帯電話を掛けるなとか、ヘッドホンの音量を絞れ、座席は詰めろとか、リュックは背負わずに棚へなど、まあ早い話が「電車の中では静かにして、小さくなってろ」といった事でしかないようだ。しかしながら、以前この場で僕が提唱した「突然のくしゃみはやめろ!」的なマナーに関してはまったく取り上げられてはいない・・・

 まあそんな事はどうでも言いのだが(・・)、そんな規律の整いつつある車内で、僕はまた新たなる出来事に気付き、常日頃その事がなんとも気に障って仕方なく思っている。

 比較的空いている静かな車内、ピッピッピッといった断続的な電子音がどこからともなく聞こえてくる(きた、きたー)。それは喫茶店のBGMのように、聞く気にならなければ気にもならない程の“些細な音”だとも言える。その音とは、どこかで誰かがメールか何かを入力している携帯電話の「ボタン音」の事である。その携帯電話の主は、一心不乱に画面に向かい入力を繰り返している様子で、非常に速いテンポで時に数秒の間隔を空けながら、ピピピッ、ピピピッといった音を連続的に響かせている。まあこんな音の事をあれやこれやと取り沙汰すのも実に愚かしいし、些細で馬鹿馬鹿しい問題である。しかし、僕にはこの音がひじょーーーに気になるのである。

 グチャグチャに荷物が詰まっていた時には気にも留めなかった壁の「しみ」が、空き室になった途端に目立ち始めるように、携帯で喋る事やリュックを降ろす事のルールが確立され、異分子要素がひじょーに少なくなってきた電車内で、僕にはその携帯の「ボタン音」が壁中を染める「しみ」のように感じられて仕方がないのである。

 偏見になるかもしれないがボタン音を響かせている人は比較的年齢の高い方に多いようである。携帯電話には通常音を消す設定がある。もちろんボタン音がマナーに反するなどとはどこにも書いてないし、そもそも僕以外に気にしている人など誰もいないかもしれず、そうなれば当然音を消す設定などする義務もない(現在のところは)。しかしながら、ピッピ、ピッピとテンポ良く鳴るボタン音を聞く度に、あのー、わたくしが音を消す設定をして差し上げましょうか?などと言ってみたくて仕方がない気分になるのだ。

 地下鉄の駅の階段などでも妙に気に触る音に出くわす機会が増えた。その音とはボタン音などとはまるで比較にならない程の大音響で、鍋の底をこん棒でバシバシ叩いたような硬質な音である。朝ボーッとした寝起きの頭でいる時などに、突如としてそいつに出くわしたりすれば、頭の芯を鷲掴みにされ思いっきり振り回されたような強烈な衝撃を受ける事となる。そして、その音は往々にして何の前触れもなく自分の背後で発生し、次の瞬間何食わぬ顔で人の横を通り過ぎる。まったく意に介する事もなく「サンダルの踵で階段を連打し続ける」その音の主は、パンパンパンパンパンパンパンパーーーーーン(・・)これでもかー!と大音響を撒き散らしながら、平静に電車に乗り込んでいったりするのである。

 昨今女性の正装と化してしまったサンダルの踵が地下鉄の階段で放つ音、こいつはいかがなものであろうか?靴の構造上音が出るのはしょやあないでしょう!と開き直れる類のものなのだろうか。

 まあ、またくだらない事をたらたらと書いてしまったが、そんなこんなで「携帯電話ボタン音禁止」や、「サンダルの踵のパカン音注意」それに、「突然のくしゃみはやめろ!」なるマナーも、大々的に取り上げて欲しいと思ったりする今日この頃なのであった。

(04.12.18)

K's Room

東京大田区バドミントンサークル



 

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