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K's Room Odds & Ends

ダブルエスプレッソ10


 先日新聞を読んでいて身の毛もよだつような記事に出くわした。それは、太陽が燃え尽きるといった話である。まあ、なにもこの場でみなさんを脅かそうという話ではなく、それは50億年先の話らしい(・・)。全ての星に寿命があるように、太陽もまた50億年後には燃え尽きてしまうというのである。50億年先となれば、今現在地球上で存在している生命が、当然ながら何一つ存在しているはずもなく、天文学的な時間経過の話ということになる。しかし、太陽は確実に消滅するらしい。そして、消滅する直前には大変な高温となり、その影響を受けて地球も生態系を維持できず、共倒れの運命を辿っていくらしい。こんなことから全ての物に終わりがあると改めて考えさせられてしまう。
 6500万年前、恐竜は巨大隕石の衝突による地球環境の激変で絶滅したという。現代の地球においても、当然そんな危険性を孕んでいるわけで、いつまた衝突の軌道に隕石が乗り、人間を含むすべての生命が絶滅するかも分からない。しかしながら、どうせならあと50億年、この青い星の寿命までは、まあ他の星へと移住するにしろ、大いに繁栄して欲しいと思ったりする。
 しかし、目先の話として、地球自体がなくなってしまうのであれば、とんでもない金を出して自分の墓を建ててみることなど実に馬鹿馬鹿しいなあと思ったりもするものである。

 ある友人から聞いた話である。
 友人が知合いの車に同乗して遠方まで出掛けた時、運転手がキーをイグニッションに挿し込んだまま扉をロックしてしまった事があったらしい。車内は無人で、もはや外から扉を開ける事が出来ないという、時にありがちなトラブルが起こったわけである。ちなみにその車はT社のクラ○ンで、遠方だったこともあり、友人も運転手もどう対処しようかと慌てふためいたらしい。
 奇遇にも同乗していたその友人は、ロックしてしまったものと同型のクラ○ンを普段乗っていた。そして、その時、自分の車のキーを持ち合わせていたので、物は試しとロックしてしまった車のシリンダーにそのキーを差し込んでみたという。すると、あら不思議、その車の扉が見事に開いたというのである。
 そんな事もあるんだなあと、友人と笑いあったものであったが、それ以後、僕は自分の車と同型の車種を見つける度に、ものは試しと自分のキーを挿し込んだりしてみるのである(うそ)。

 僕なりに感じている春の匂いというのがある(・・)。詩の世界や、少女チックな表現の話というわけではなく、暖かく晴れた四月の昼下がり、どこかの下町の路地裏などをうろついたりした時、ふと鼻を突くこの季節独自の匂いに気がつく事があるのだ。そして、その匂いを嗅ぐと、やたらと感傷的な気分になってしまう。古くは小学校の入学式や、社会人に成りたてだった頃の緊張感、あの娘と離れ離れになった卒業式の物悲しさ云々・・・(・・;)、ひたすら漠然としているだけで何も具体的な情景もないのだが、そんな当時の感情だけがどこからともなく沸き上がり、嫌に感傷的な気分になってくるのである。
 で、最近、ふとした事からこの匂いの正体に気付き、その確信を持った。以前は、何かの花の匂いとか運ばれてくる海の匂いなどと漠然と捉えていたけれど、結局そんな事ではなかったのだ。それは、開け放たれた家の匂い、紛れもなく人々が開け放った窓から漂う生活の匂いだったのである。
 えーと、わけわかんないでしょうか・・・?
 閉ざされた冬には決して感じる事のなかった人間が生活する家の匂い。暖かな季節を迎え一斉に開け放たれた窓から漂うそんな匂いが、狭い路地裏などを歩いていた時、ふいに鼻を突く。様々な人達の、まったく場所も違う営みのはずなのに、なぜか懐かしく、そして驚く事に、記憶を呼び起こすほどにそれが同じ匂いなのである。
 結局わけわかんないでしょうかあ・・・(笑)?
 そんなこんなで、春の訪れ、そして、夏の気配を一人ウキウキと楽しんでいる今日この頃の僕なのである。

(04.05.08)

K's Room

東京大田区バドミントンサークル



 

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