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K's Room Odds & Ends

ポイントカード、お持ちですか?


 財布の中が日々膨張し続けている。実は思わず宝くじで3億円が当たって、取り敢えず銀行に預けておくのも物騒なので、大金を日々持ち歩いている、などと言った事ではもちろんない(・・)。

 訳の分からないカードが増殖し続け、気が付けばポケットから取り出すのも難儀なほど財布が厚くなってしまったというだけの話である。

 大雑把に財布の中身を公表してみると、現金は2、000円くらい(・・)、銀行のキャッシュカードが二枚、クレジットカードに、運転免許証、よく行く医者のカード、レンタルビデオの会員証に、テレホンカード等、その他もろもろのカードが二十枚くらいといった内容になる。

 財布に入れてはいるものの、テレフォンカードなどはまったくもって昨今使った記憶がない。携帯電話を持ち歩きこの便利さに慣れてしまった今、電話ボックスを探して、あの窮屈な箱の中に身を滑り込ませて、鞄から電話帳、財布からカードを取り出してなどといった行為は、もう煩わしくて仕方がない(・・)。しかしながら、家の中を捜せばなんやかんやと十枚くらいはテレフォンカードがあり、実質NTTに先払いしているようなものであり、改めて考えてみるとなんとも癪に障る存在である。こういったことは僕だけが特別な例とは思えず、そうなればいったい日本全国で埋もれているテレカはどのくらいになるのだろうかと想像もつかない。それでいて、NTTは利用者がいないからなどと理由を付けて公衆電話の撤去を進めているという。とんでもない話である。そうであれば、埋れたテレカを返却するから、全額還元せい!と訴えたい。こういったことがなぜ大きな社会問題にならないのかと疑問に思ったりするのである。

 まあ、NTTを糾弾しようというような話ではないのだが、膨張し続ける財布の中のもろもろのカードというのが今回の話のポイントである(・・)。財布にしまい込まれた二十枚程のもろもろのカード、その大多数は一般にポイントカードといわれる販売店のカードなのである。

 家電量販店のポイントカードが数枚、ジーンズショップのもの、カー用品店のもの、近所のクリーニング店やパン屋のもの、床屋から靴屋とそんな諸々がその内容で、カードのタイプもレジに通すだけでICチップに書き込まれていくプラスチックカードから、簡易に磁気の記録が更新されていくものや、スタンプで押印していく紙のカードなど実に様々である。

 昨今では、街中の小さな商店で買物をしても、おもむろにポイントカードはお持ちですか?などと聞かれたりする。何のこっちゃといった顔をしていれば、お作りしますか?と来る。まるで、“もっていないと大損こきますよ!”と脅迫でもされているようである。まあ、持っていればいい事もあるかなあ程度に新たなカードを受け取ったりもするが、結局のところ、ある程度買う予定のある店であればありがたい話でもあるが、次にいつ行くかも分からないような店のカードとなると本当に処分に困る事となる。邪険に捨ててしまうのも損するような気分になるし、家に置いておいたのではいざという時に使えない、止む無く財布の中へとしまい込む羽目となり、その結果財布の厚さが否応なく膨張し続けるといった次第である。

 先日、某大手量販店Bカメラで買物をした時、“ポイントカードは当店が日本で最初に発行しました”と、得意げに謳っているカードを渡された。そのカードを手に、こんな財布の有り様にしてくれた犯人はお前だったのか!と思わず叫びたくなった今日この頃の僕なのである。

(04.3.6)

K's Room

東京大田区バドミントンサークル



 

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