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K's Room Odds & Ends

ダイエットなんて言っても、絶対痩せませんよ。


 アメリカは肥満の先進国のような記事が新聞に載っていた。まあ、ああだこうだともっともらしくその理由を分析するようなことが書かれてはいたが、早い話が食い過ぎなようである(笑)。あの国に一度でも行ったことのある人ならお分かりだと思うが、レストランやカフェで出されるその料理の量ははっきり言って異常である。

 アメリカを旅行で訪れレストランに入ったとき、自分で注文した料理が出されたる度に、「いったい俺は何を頼んでしまったのだろうか?」と、自問せずにはいられないほどである。もっとも、滞在も二日目、三日目などとなってくるとその量の感覚にも慣れてしまい、ここのカフェのハンバーガーの大きさは小ぶりだなあだとか、このレストランのサラダは少な目だなあなどと思えてきてしまうから恐いものである。

 欧米型に食事のスタイルが変わってきたと言われている日本。まあ、アメリカ人ほど食事の量を摂っているとは思わないが、テレビなどで、エステティックや、ダイエット食品、ダイエット器具などのCMを見ない日はなく、どうやらこの国でも同じような現象が起こっているように思える。肥満というのは、ある程度先進国の宿命といえる類の事なのだろうか。

 知合いの人に何を食べてもまずいという人がいる。どこどこの有名な何料理の店に入ってみたが、あそこはまずいとか、どこどこのケーキを並んで買ったけど、たいした事ないとか、その食に対するエネルギーには感心させられるが、どうにも今一つ満足する事が出来ないらしい。

 一方僕自信はめちゃ味オンチな事も手伝って、よほどの事がない限り何を食べても旨いと感じる(笑)。まず雑誌を見て話題の店に行くなどという事もないし、並んで食べるくらいなら隣の客のいないラーメン屋にも平気で入ってしまうような奴である。それでも、取り敢えずは何を食べても旨いし、早い話がいつも腹を空かせているのだ(爆笑)。

 でも、結局のところこの腹を空かせているという事が凄く肝心な事のような気がする。

 腹が減っているというのは、趣味で日々激しいスポーツをやっているという事が大きな原因であり、消耗している分を補わなければ、体が成り立っていかないという事でもある。言い換えれば、体が必要としているから摂取するし、必要としているから何を食べても旨いと感じる、そんな気がするのだ。

 「消費していないのに摂取する」この状態ではおそらく旨いと感じるのは難しいだろうし、まあ、体質的なこともあろうかとは思うが、当然ながら余分な脂肪を生み出す原因に他ならないという気がする。

 先日知合いの女性が通販で新しいダイエット器具を買ったと言う。この女性この手の「お助け企画」には、何ら躊躇する事なく便乗するタイプなようで、 こんな話を聞くのもその「道具」の件が初めてではなかった。そして、「今回の」その器具を宣伝した写真を見せてもらうと、奇妙な形に形成したパイプに体を預け、起き上がりこぼしよろしく、その器具にうまく介助されながら繰り返し腹筋運動が出来るという仕組みの物であった。簡単に言えば、腹筋の運動をする必要性がある、または、してみたい人が、運動自体に面白味を感じながら、そして、苦労なく腹筋運動をする事の出来る器具のようである。

 で、その彼女「結構使いづらいんですよねえ、意外と疲れるし」と語っていたのには思わず笑ってしまった。

 まあ、こんな物はまだ良いとしても、それ自体に大きな疑問を感じたり、思わず笑ってしまったりするこのダイエット効果を謳う類のものがあまりにも次から次へと登場するのには本当に驚きである。「よう考えるなあ」と、その作り手側の努力に感心させられてしまい、幸か不幸か僕自信はダイエットとは縁がないながらも、そのインパクトにはついつい惹き付けられてしまう。そして、そんな器具を見る度にこんなに次々と商品の投入するほど、この市場には旨みがあるんだろうなあと感心してしまうのである。

 塗ったり、飲んだり、お風呂に入れたりして自然と痩せる薬。履くだけで痩せるスリッパ。脂肪に張り付けて、その振動で「勝手に」痩せていく機械。中には占いで痩せるとか、祈祷で痩せていくとかそんな類のものまであるようだ。

 人間の弱みに付込み、巧妙に購入させるこんな商品を見ていると、悪質な新興宗教の勧誘のようにさえ思えてしまう。「ダイエットコーラ(まあ、アメリカ人が考えそうな事だ!)」とか、「ダイエットビール」といったものがもはや究極な形なのであろう。敢えて言う事もないとは思うが、「ダイエット」と、「コーラ」「ビール」は対極に位置するものであり、この言い回しでOKならば、健康的な毒薬とか、晴れ渡った暗闇でも、充分意味が通るという事になってしまうはずである。

 エアロビクスの理論でいくと、脂肪を燃焼させる方法はたった一つ「継続した20分以上の有酸素運動」、これしかない。言い換えれば、これ以外の方法はすべてだめだという事になる。体に貯め込んでしまったそれまでのツケは、やはりそう簡単に楽をして返済していく事は無理なようである。

 まあ、なんだかんだとは言っているが、飽食の国日本。テレビや雑誌では盛んに「うまいもの」が宣伝され。季節や産地に関係なく、実際のところどんな食材でも手に入る現状。味を追求する事も一つの楽しみだろうとは思うが、本来人間が活動すべき程度には運動をこなして、本当に腹が減っていれば、まあ、何を食べても旨いですよと、言ってみたい、今日この頃の僕なのである。

(03.03.08)

K's Room

東京大田区バドミントンサークル



 

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