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K's Room Odds & Ends

電車でGO!



 仕事柄よく電車を利用する。

 一日に2、3本のJRや地下鉄を乗り継ぐ事はざらで、様々な電車に乗っているから何かとつまらない事に気が向いてしまう。

 JRの横須賀線や、東北線など、比較的長距離を走る古い在来線の車両の中に、四人一組のボックス席でその座席が構成されているものがある。直立にそそり立つ背もたれに体をあずけ、二人ずつ対面し、窓の下には申し訳程度の小さなテーブルが付いているあれである。

 そして、この四人掛けのボックス席、大の大人四人が座ったときには、窒息するんじゃないかと思うくらいに狭い。いったいこの窮屈さ、本当に何とかならないものかと、僕はほどほど思うのである。

 僕はまあ上背はある方であり、背が高いのだから、ある程度足も長い(別に自慢ではない・・・)。あの座席の距離で背もたれに深く腰掛け、きちんと足を揃えた時、それだけでもう正面の相手と共有する足を出す空間のほとんどを塞いでしまう。

 四人席に四人それぞれ他人が座り、足の収め場所を模索する時、その不自然な格好といったら並大抵ではない。正面の相手とうまく凹凸に組み合せようとすれば、嫌が否にも相手の足が自分の足に触れてしまい居心地の悪い状態になる。また、どちらかが大股に足を開けば、その正面の相手は必然的に膝を閉じて、その相手の開いた股の間に膝頭を突っ込むような形になる。

 この座席の距離感は、新しくなった車両にもまったくそのまま継承されているから驚きである。一体いつの時代の人間の大きさを基準に作ったのかは分からないが、これだけ日本人の体も大きくなった昨今、JRさんも、もう少し柔軟な対応を考えてほしいと思うのである。

 「そんなに狭けりゃ、扉の横にある横並びの二人掛けのシートにでも座れ」と言われそうだが、あのシートはあのシートでまためっぽう狭く出来ているのだ・・・。

 そんなこんなで、狭いで列車の中、デカイ体をもて余し、日々もがき苦しみ続けている僕なのであった。

 

 昨今の女子校生のスタイルの定番といえば、茶髪にルーズソックス、「間に合わせ」のミニスカートのようである。

 ルーズソックスにいたっては、あんな物はすぐに絶滅する筈だと信じていた僕であったが、その勢いは一向に衰える事を知らないようである。

 で、スカートの事なのだが、僕は特別女子高生に興味がある分けではないので(?)、それほど熱心に観察しているということではないのだが、あのミニスカートの「からくり」を最近になって知った。みんながみんなそうしているのかはともかく、あのミニスカートは普通の丈のミニスカートを腰の辺りで折り返し、結果として膝上を大幅に上げているようなのである。

 これが世紀の発見なのか、「そんなの、みんな知ってるよ!」なのか、たまたまそうしていた娘がいたのかは良く分からないが、恐らく校則との兼ね合いで、彼女等も涙ぐましい努力をしているようなのだ。

 ちなみに何でこんなくだらないことに気付いたのかといえば、ある日あの時、数人の女子校生達が、電車の中で、まったく人目もはばからずに、盛んにスカートの即席リフォームにいそしむ現場に居合わせたのである。それは当然目を逸らさんばかりの痴態ではあったが、本人達が恥ずかしがっていないのだからまあ良いかと、そんな様子を一通り観察していたのであった(ううっ、われながらオヤジの所業だあ)。

 で、今回の話は、そんな彼女達の階段の上り方を取り上げる(・・・)。

 駅のホームの階段を上る時などに、スカートを丸めて尻を押さえている奴等がいるのだ。

 これが何とも僕には気にくわない(でたでた)。

 隠していて見えないぞ!と、言うのではない(・・・)。

 要は、自分で勝手にミニスカートに「しておきながら」、さも下から来る人間が覗き見の悪者のように、「私は純朴な乙女なのよ、見ないで頂戴!」のポーズはないだろうと言うのである。中には、さも後ろを歩いている男が悪者とばかりに、ちらちらと振り返るような輩もいる

 彼女らの後ろから階段を上っていて、覗こうなどとは微塵も考えつかなかった男にとっては、何とも言えない屈辱に似た理不尽さを感じるのである。。

「そんなに見られるのが嫌なら、スカートの丈なんか上げるな!」と、僕は大声で叫びたいのだ・・・。

 何だかここまで書いていて虚しくなってきたのでやめる・・・(笑)

 

 いつの頃からか、横並びの電車の座席に、ぼこぼことした窪みのついた物が現われた。

 それは、人の尻型を型取ってあるらしく、一人の人の陣地はこれだけですよと指示しているもののようだ。

 今でこそ慣れてしまったが、そのタイプが現れた当時、この座席を見ると、僕はなんとも言えない嫌悪感を感じたものだった。

 電車の中とは限らないが、ある時間、あるスペースを、不特定多数の人間が利用するのであれば、当然そこには暗黙の約束事やマナーが存在する筈である。いちいち取り上げるのもアホ臭いが、大声を出すなとか、一人で広い場所を取るなとか、突然くしゃみをするなとか(笑)、そんな事だ。

 で、7人掛けの横並びシートをを7人で座ることは、至極あたり前の事だし、まあ、あえて言えば、暗黙のマナーの部類に入るのではないかと僕は思う。当然暗黙なのだから、それぞれが黙ってどうしたら良いか考えるべき主旨の事で、あらかじめ座席を区切る事は、大きなお世話この上ない気がするのだ。自分の責任分担がはっきりして良いという向きもあるだろうが、大袈裟な事を言えば、マナーの分かっていない人間を、更に世間知らずな人間に育て上げてしまう温床とも言える気がする。

 車内が混雑してくる。もう一人座れそうだから詰め合う。そのくらいの事は自分で考え協調し合いましょうよと僕は言いたいのである。

 そして、この「でこぼこシート」、中途半端な数の乗客の時には本当に困りものなのである。どこに座っても片側の人とだけ隣り合わせになってしまうような事が実によくあるのだ。そんな時はどこに座って良いものやら、あれこれ悩みながら社内を右往左往する羽目になる。いきなり若い女性の横などに座ったのでは、こいつ下心ミエミエじゃんなどと思われるだろうし、だからといって中年のオヤジの隣などにも座りたくない(自分も中年オヤジだけど・・・とほほ)。そんな時、僕は、シートの窪みと窪みの境のこんもりとした丘にどすんと腰掛けて見たりするのである。しかし、これがまた何とも座りずらい(当たり前だちゅうの)。

 そして、このでこぼこの横並びの車両、最近では窪みの他に座席を分けるステンレスの手摺まで付いた物がある。 

 このままで行くと、近い内には足を揃えておくための足形が床に貼られる筈である。そして、私語を禁じるためのマスクが乗客に配られ、挙句には居眠りして隣りの人にぶつからないようシートに拘束ベルトが設置され、年寄りが近くにやって来たとき、席を譲らずに座っている人に電流が流れる装置が・・・・。

 そんなこんなとくだらない事を言考えながら、日々列車に揺られる僕なのであった。

(01.10.20)

K's Room

東京大田区バドミントンサークル



 

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