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K's Room Odds & Ends

ダブルエスプレッソ5

 
 最近テレビの音で思わずドキッとする事がある。それは、今現代に溢れまくっている電子音が、テレビのスピーカーから突然耳に飛び込んできた瞬間にである。例えばドラマの中での携帯電話の“ピピピ”という着信音であったり、CMの中でのデジカメの疑似シャッター音、プッシュスイッチの“ピッ”という音などのことである。

 で、何に驚くのか。その音を聞いた瞬間、僕はそれが現実の音だと勘違いしてしまうのだ。電気的なことなどまるで詳しくなく、はっきりしたことは何も分からないのだが、テレビのスピーカーなどから流れるこれらの電子音は、人が喋る声などとは違い、紛れもなくそのまま“同じ音”であると僕は感じるのである。

 テレビから流れているのが人の声であれば、「ああびっくりした、誰かがそこにいるのかと思った!」という事はあまりないように思う。どんなにすごい機器を通して忠実に再生しようと試みても、こと人の声、そして、その他例えば鳥のさえずりや、車の音、ガラスが割れた音、波のよせては引く音などに関しては、やはりどこか違う音色であるような気がする。しかし、この電子音に関しては、まったく同じであると、僕は感じるのだ。これは、両方とも単にスピーカーを通しているから、同じ音なのだと言うだけなのだろうか・・・(誰か教えて)?

 鳴るはずのない電子レンジのボタンを押す音、デジカメのシャッターを切る音などが、突然部屋の中で聞こえた時には、やはりドッキとするものである。そんなわけで、池袋の「Bカメラ」の前、スピーカーから街角にガンガンに流している宣伝に混じり、突然聞こえる携帯の着信音にハッとなり、思わず自分の懐を探った経験のある方は、僕の他にはいらっしゃらないだろうか?

 つい最近まで、ガッチンガッチン音がしながらも、「どうせたまにしか使わないのだから、まあいいやあ」と、化石のようなプリンターを使い続けていた。しかし、その機械にもついに寿命が来て、まったく正常な印刷が出来なくなってしまった。どんなのでも安いのでいいやと、久々にパソコンショップまで出向き、店頭のプリンターを眺めていた時、突如僕の体に強烈な衝撃が走った。その時店頭に印刷サンプルとして並べられていた、人気女優U香(そのままです(笑))を印刷した“紙”は、そのまま“写真”だったのである。

  「あらら?今のプリンターは、写真が印刷できるのお!?」

そして、さらに驚くべき事に、数年前に比べてそのプリンターの価格は、性能の向上に反比例して急激に安くなっていたのだ。

 これを買わぬ手はあるまい。普段デジカメで撮影した「ゆう君」を、CDRに焼き付け、いそいそとショップへ持参して、写真に焼き付けしてもらっていた僕。「これが揃えば、すべてが自宅で出来るじゃんか!家内製手工業の始まりだぁ!」と、訳が分からず興奮し捲ったのであった。

 もともと目的志向型であり、“これだぁ!”と思わない限りは、最先端だろうが、流行物だろうが一切手を出さない。しかし、一度“これだぁ!”と思い込んだら、まったくブレーキの利かないこの性格。この久々の衝撃には、まさにそのスイッチが入ってしまったのだった。

 しかし、散々調べてみると、どうやら今使っているオールドマックでは、そのプリンターには接続自体が出来ないことが分かった。

 「ええい、こうなったら一斉買い替えじゃい!」

 ママ様の強烈な白い目に耐え、貯金を洗いざらい叩き、MacG4/733、そして、「どっきれい」プリンターPM950Cを一気に購入したのであった!

 そんなわけで、一通り機器が揃いすっかりご満悦ではあったが・・・。

 新型のマックは余りにも高性能すぎて、パワーの十分の一も使いきれてましぇん!

 別にDVD編集もやらないし、音楽CDを作る訳でもない、グラフィックを作成する訳でもなく、もう最近では、音楽を鳴らすこともない・・・。プリンターは素晴らしく奇麗に写真が出来上がるが、一枚一枚印刷の度に乾かさなきゃならないし、用紙のセットは面倒臭いし、インクはすぐなくなるしで、こんなに労力が掛かるなら写真屋に持っていった方が簡単だぁ!と、嘆いている。

 皆さん、くれぐれも機械を買う前は、本当にそれが自分にとって必要であるのかを、慎重に見極めることをお勧めしますよ(爆笑)!

 先日仕事中に多摩川に掛かる丸子橋付近を車で通りかかったことがあった。

 平日の昼間、普段は特に人が集まるような場所ではないのだが、その日は橋の上にたくさんの人が群がり、何やら皆一様に川面を覗き込んでいる。いつもは車の往来も少ない側道にまで車が入り込み、ちょっとした渋滞となっていた。8月の中旬、夏休みの時期ではあったが、この辺り特に観光名所や取り立てて風景の良いような場所がある訳ではなく、僕は何とも不思議だなあと思っていた。

 そして、夜自宅に戻りテレビを見ていた時、その謎は一気に解明された。

 人が群がっていた理由、それは「あざらしのたまちゃん」だったのである。本当にこんなくだらない事で、あんなにもたくさんの人がわざわざ集まってくるということを知り、僕は本当に驚いた。

 多摩川に、あざらしが一匹いる。こんなどうでもいいことを報道するマスコミもマスコミだが、それを見て、わざわざ多摩川まで繰り出す視聴者も視聴者である。考えても見ていただきたい。多摩川にあざらしが一匹いるだけなのである。東京湾にゴジラが出現したのとは訳が違う(・・・)。夏休みとはいえ、テレビや新聞から情報を集め、場所を特定して車を繰り出し、大切な一日を潰してまで訳の分からないあざらしを見に来る人達。日本はなんて平和な国なのだろうかと思わずにいられなかった。そして、あっという間にこれだけの人を、さも事件があった風に装い、同じ価値観に埋め込んでしまうマスコミ。この恐るべき力は、数年前の地下鉄にサリンを撒き散らした集団の、あの教祖の影響力にすら匹敵するのではないだろうか?!

 今多摩川水系では生態系がとんでもない事になっているらしい。誰かが放流したピラニアや、熱帯のアロワナなど本来いるはずのない魚、角をたくさん持った訳の分からない亀などが我が物顔で生息しているという。「たまちゃん」の動向にレポーターを現地に派遣するほど余裕があるのなら、こんな現状でも積極的に取り上げて欲しいものである。

 と、まあ、ああだこうだと、のたまわってはいるが、以前にも同様にマスコミに作り上げられた動物達を思い出し、エリマキトカゲや、ウーパールーパー、山形(?)の人面魚や、カモの突然変異の“ヤガモ”はいったい今どうしているのかと、日々気になり続けている僕なのである。

(02.08.31)

K's Room

東京大田区バドミントンサークル



 

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