本文へスキップ

K's Room Odds & Ends

寒い夏〜猛暑猛暑というけれど



 6月にもなり気温がぐんぐんと上がり、「もう、暑くていや!」な季節になると、“日本一いい加減なサラリーマン”の僕は、すぐさま「ハンソデーズ」に変身する。
 「ハンソデーズ」と言うのは、もちろん僕が勝手に名付けているだけの言葉で、スーツの上着を着ずに、半袖のワイシャツにスラックス、そしてネクタイといったまるでデパートの店員のような服装をすることで、夏になれば多くのサラリーマンがしているなんてことはない服装のことである。

 この「ハンソデーズ」、うちの奥様に言わせれば、凄く中途半端でバランスの悪い変な格好に当るらしい。僕にしてみてもこのスタイルがまさか格好良いと思っているわけではなく、ネクタイが基準になっている会社に勤めているがゆえに、仕方なくこのくそ暑い(失礼!)季節の服装としてそんな格好をしているわけでもある。出来ることならばTシャツに短パンという、普段家でごろごろしている格好のまま会社にも行ければいいのだが、さすがにそんな勇気もなく、せめてもの抵抗として早々と上着を脱ぎ去るのである。

 男性サラリーマンのユニフォームといえばスーツにネクタイ。僕も普段であれば、ご多分に漏れずこのスタイルで日々サラリーマン生活を送っている。毎朝何も考えなくともネクタイと上着の色合わせ程度で済んでしまう手軽さ、そして、あらゆる場所にほとんど問題なく通用し、「一人前」「立派」などという言葉さえ付きまとう文句なしのスタンダード。服装に無頓着な僕、そして、多くの方々にとってもなんとも都合の良い服装でもあるわけである。
 しかし、このスタイル、よくよく考えてみて、機能的でもっとも理にかなった服装であるのかという点では、絶対にヘンだと日々僕は思っている。

 真夏の通勤電車やビルなどの冷房の中に、Tシャツや半ズボンといった「当たり前」の服装で入っていった時、ぞっとするほど寒く感じる事がある。ものの10分もその中にいるだけで、早く暖かいところへ行きたいと思う事が、寒がりな僕にはしょっちゅうなのだ。同じ場所で季節に合わせた服装でいる女性達が、膝掛けやセーターまで着こんで寒さに対応しているのもよく見かける姿だ。どうやら公の場での冷房の設定温度は、真夏だというのにネクタイで首もとを締めあげ上着までも着込んだ「背広族」の体感温度に合わせてのものらしい。

 そして、このスタイル、冬は冬でまたメチャ困ったものである。下着に、ワイシャツ、そして上着と3枚も重ねて着ているにもかかわらず、大きく開いた胸元では冬の寒さは到底しのげない。コートを着れば良いじゃないかと言われるかもしれないが。ダウンジャケットならばシャツの上に1枚羽織るだけで、その暖かさは比較のしようもない。どうして日々サラリーマンはこんな過酷な姿を要求されるのだろうか。

 人間は常温動物である以上、着衣の着脱で体温を調整するものだと考えられる。と、すれば、真夏に気温が30度にもなろうかという中、服を何枚も重ねている状態というのは、やっぱりおかしい。
 本気で僕は思っているのだが、せめて夏場にはネクタイをしない、ジャケットを着ない事が当たり前というような風習は生まれないものだろうか。
 とは言っても、これだけの世界的にスタンダードな慣習、一人の人間がブツブツと言ってみても何が変わるわけでもない。せめて早々と「ハンソデーズ」になり、暗に「こんな暑苦しい上着なんか着てられるか!」と負け惜しみを言っているのが関の山である。こうなれば、せめて会社単位ででも夏季の上着や、ネクタイの不着用等といったことを示してくれないものかと願ってやまない。また、そんな事になれば、どれだけ冷房代の節約でもあり、省エネでもあり、果ては地球温暖化の防止でもあるのではないかと考える今日この頃である。

(00.7.20)

K's Room

東京大田区バドミントンサークル



 

スポンサー広告