ちくさ高原スキー場から後山ツアー

 地形図を眺めていたらその中に後山など一連の比較的なだらかでスキー縦走向きと考えられる山域を見つけたので、そこへ行ってみることにしました。兵庫では一般的なスキー登山の山などと比べると比較的南部の山域なのですが、入山口として考えたちくさ高原スキー場の積雪が1mだったので、そんなに極端な雪不足を嘆くことはないだろうと考えたわけです。ただ、問題は縦走の最後の山である後山山頂からどのルートをどこに滑り降りるのかという事でしたが、これはいくつかの候補を考えたものの、いずれも薮漕ぎを覚悟しての滑降になるだろうとは思っていました。

後山GPS軌跡

後山GPS軌跡(CG作成 OOMAE氏、クリックすると拡大します)

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日 時  1998年2月11日(水)

行 先  兵庫県 ちくさ高原スキー場よりダルガ峰・駒の尾山・鍋ヶ谷山・船木山・後山を鍋ヶ谷渓谷に下り、再びちくさ高原へ

日 程  

10日(火)

   23:00ちくさ高原スキー場 車中泊

   11日(水) 

5:00起床 7:10出発−−8:00リフト終点(0.8km)−−8:30 ダルガ峰(1.7km)−−10:30駒の尾山(3.6km)−−12:00鍋 ヶ谷山(4.6km)−−13:30船木山(5.6km)−−14:30後山(6.5km)……14:501191m高地(7.0km)……17:00林道(7.5km)……18:00鍋ヶ谷渓谷(10km)−−15:00ちくさ高原スキー場(12.0km)
             シール歩行 −−  滑降 ‥‥

山行を振り返ってみると・・・

 これは予想された事でしたが、根曲がり竹が十分隠れておらず、斜面の傾斜も緩いので、いわゆる大滑降は出来ませんでしたし、縦走は主にシールをつけたままの小刻みな登下降が中心になりました。しかしこの山域は山並みのレイアウトが美しく、高気圧型のとてもいい天気に恵まれて、一つピークを超えるとまた新たな美しい眺望が展開するという、素晴らしい楽しみがありました。それに霧氷のついた木々の美しさ。稜線漫歩とはこうした登山のことを言うのでしょう。

 船木山から後山の鞍部へはシールをはずしました。これは実はその頃シールに度々湿雪団子が付いて、やたら重くなっていたからで、相棒がスキーの団子を落とそうとストックで叩いてそのストックを折ってしまうというハプニングもありました。しかし、怪我の功名というべきか、ここは下り斜面が比較的長く、薮を避けながら気持ちの良い滑降を楽しみました。

 問題の後山からは、時間が予定よりかなり遅くなっていたこともあり、最も下山の簡単そうなルートをとることにしました。すなわち、北東の尾根からすぐに北北西の快適な尾根を滑り、1191m地点から谷へ入って植林地帯を滑って林道へ出るコースなのですが、途中数百m位かなり薮の混んでいるところもあって難渋させられました。植林地帯は一面真っ白で、その中に広く規則的に並んだ杉もまだ小さく、見た目は快適そうだったのですが、雪質がとても重く、急傾斜のトラバース等もあり、どう下って林道のどの地点に出るのがよいのかルートファインディングの難しさも感じました。

 結局林道に出たのが5時、ほとんど傾斜のない林道を懸命に漕いで鍋ヶ谷渓谷の車道に出たのは6時になっていました。途中三室山とおぼしき山が夕陽に紅く染まっていくのを見ながら、一日の充実感を噛みしめていました。スキー場までの2kmのアルバイトのうちに、すっかり日が暮れて、ゲレンデに灯ったカクテルライトが眩しかったのでした。


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