土姫虫ってなに?


土姫虫(つちひめむし)とは、今立源太良先生が1975年に使用している言葉で、「カマアシムシ類」あるいは「原尾目」のことを言います。現在は、一般的にカマアシムシ類の名で呼ばれています。

カマアシムシ類は,一生を土や落葉層の中で過ごし,森林や草地など緑のあるさまざまな環境にすんでいます.体長1〜2mmで細長く,半透明のものが多いため人目にはつきません.そのため、採集にはちょっとした道具が必要です。肉眼で直接採集することもできますが、大変な作業です。カマアシムシ類には眼,翅および触角がありません。触角がないというのは、かなりの特徴です。前肢が触角の代わりをしていて,頭の側方に鎌形に曲げて振りかざしています.この姿から,カマアシムシ(鎌足虫)の名があります.

と言っても、ほとんど馴染みはないと思います。何せ、小さい上に人間生活とは直接的には関係ありませんから。でも、触角がなかったり、ムカデやヤスデと同じ増節変態(成長に従って体節が増える変態方法)をする事などで、大変注目されました。実はこのムシは20世紀になってから見つかったのです。1907年、イタリアでのことでした。日本では、1938年に見つかったのが最初です。ですから、日本では見つかってからまだ数十年しかたっていません。でも、どんなものが棲んでいるのかよく分かっていて、世界でもっとも研究の進んでいる地域の一つです。現在日本からは、4科25属63種が見つかっています。でも、まだ新しいものが出てきます。

一方、生態的な面などはほとんど分かっていません。今後の調査が必要です。
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