封入液と標本の作り方


封入液

土壌動物の封入液としては、ガムクロラール液(ホイヤー氏液)がよく使われています。しかしながら、私はあまり評判はよろしくないようですが、ポリビニール・ラクトフェノール液(ハインツ液と呼んでいます)を使っています。カマアシムシではホイヤー液よりハインツ液の方が見やすいと言われています。でも、じっくり比較したわけではありません。

ポリビニール・ラクトフェノール液の作成法は次のとおりです。

材料

作成法

  1. ポリビニールアルコールを蒸留水で溶かし、どろどろした塊にかきまぜる。
  2. 湯煎で、蒸留水を加えながら溶液にする。
  3. かき混ぜながら、乳酸を加える。
  4. グリセリンを加える。
  5. さました混合液に、フェノールで溶かした飽水クロラールを加える。

以上ですが、これをグラスウールなどで濾過するか、放置して上澄みを使います。ただし、ハインツ液は作成してから1年間は寝かせないといけないとの話を聞いています。作成してすぐの液の標本は結晶がでたりしてダメになってしまうとのことです。


標本の作り方

カマアシムシ類は通常プレパラート標本にしますが、特に変わった作成法はありません。ただし、サンプルを透徹しないと形質がよく見えません。透徹するために、以前は乳酸に一昼夜(本などでは一週間とある)漬けていました。現在はハインツ液で直接封入し、それを60℃で2,3日(できれば一週間)乾燥させます。これで十分検鏡できます。


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