書名：中国動物誌 節肢動物門 原尾綱
著者：尹文英
出版社：科学出版社（北京）
ISBN：7-03-006798-3/Q・807
定価：７５．００元
この本は、カマアシムシの一般的解説と系統分類からなっています。カマアシム
シ類を扱った本の中でも第一級のものといえます。
現在、中国は最も活発に原尾目（カマアシムシ目）が研究されている地域で、カ
マアシムシ類全種の約１／４の164種が報告されています。執筆者である尹先生は、
精子や偽眼の構造研究の結果などから新たな分類体系を提唱されていますが、今回これまでの記録をまとめられています．
それによると、カマアシムシ類は綱として扱われています。この164種は３目９科34属に含まれることになります。この分類体系に従うと、日本産は３目９科24属となります（これまでの方式
では１目４科です）。 日本のカマアシムシ類を考える上で、中国は重要な地域です。また、系統上もユ
ニークな種群が見いだされています。それらを概観する点でも役に立つ本です。
目次は次のとおりです。（中国文ですので、多少意訳してあります）
総論
第一章 研究簡史
第二章 形態特徴
第三章 内部解剖と顕微構造
第四章 発生、成長と発育
第五章 生態と生物学
第六章 原尾虫の系統発生と動物地理学
第七章 原尾綱の分類系統
第八章 採集と標本作成法
各論
中国産各種についての記載や中国内での分布図などの解説