フジカマアシムシの記録


 フジカマアシムシ(Fujientomon primum)は、前肢付節の感覚毛が幅広い葉状であり、腹部背板の前列毛に中央毛(Ac)を持つなどの点で、特異な種である。全国3000地点を越える調査でも、東京都八王子市浅川実験林(現多摩森林科学園、1♀:Imadate, 1964)と栃木県日光市(2♂、4♀:今立・石井, 1987)の2地点で記録されているだけである。
フジカマアシムシ全形図  このような中で、千葉県船橋市の標本を見る機会があった。39個体の中に本種が1個体(メス)が含まれていた。採集地のデータは次のとおりである。
 船橋市坪井町; アカマツを主としてコナラが散在する丘陵地; 海抜高度10〜20 m; 石井規雄氏採集。
  採集は直径5cmのアルミ製の円筒を用い、深さ5cmまでの表層土を採取し、ツルグレン装置で抽出したものである。サンプルは1986年から1987年にかけて採集したものをまとめたもので、残念ながら採集月日は確定できない。

文 献
Imadate, G. 1964. Taxonomic Arrangement of Japanese Protura (I). Bull. Nat. Sci. Tokyo, 7(1): 37-81.
今立源太良・石井 清, 1987. フジカマアシムシの第二の記録, Edaphologia, (36):35-36.
中村修美, 1999. ヒメカマアシムシ類の記録. Edaphologia, (62): 97.
  
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