Parajapygidae,Parajapyx の和名


日本産昆虫目録(平嶋義宏、1989.九州大学農学部昆虫学教室)や昆虫分類学(平嶋義宏・森本桂・多田内修 著、1989. 川島書店)では、Parajapygidaeの和名として「ナミハサミコムシ科」が使用されています。動物系統分類学(今立源太良、1970.無翅昆虫類、7(下A)節足動物 (IIIa) 昆虫類(上)、中山書店)では和名は使用されていません。一方、土壌動物学(青木淳一著、1973.北隆館)では、仮称ではありますがParajapygidaeの和名として「ニセハサミコムシ科」が使用されています。

日本産土壌動物検索図説(青木淳一編、1991、東海大学出版会:現在は 「日本産土壌動物−分類のための図解検索」(1999.東海大学出版会)に改訂)の出版時に、Parajapygidae,Parajapyx の和名をどうするかが問題になりました。日本産昆虫目録や昆虫分類学では"Para"というところから 「ナミ」という言葉が使われたのだと思います。ですが、現在「テントウムシ」を「ナミテントウ」、 「アゲハチョウ」を「ナミアゲハ」などとと言い換えている例が多く見られます。 この例から考えると、「ナミハサミコムシ」は「ハサミコムシ」と同じになってしまいます。 そこで、和名に先取権はないですが、土壌動物学で使用されている「ニセハサミコムシ」を採用しました。

しかしながら、時間的な制約もあり充分考慮できなかったので、この和名がずっと気になっていました。 ハサミコムシ属の体長が10〜20mmであるのに対して、本類のそれは2〜3mmとかなり小さいものです。 この特徴から「ヒメハサミコムシ科」や「チビハサミコムシ科」、 「ミジンハサミムコムシ科」(属名については科を属に変える)などの方が良かったかと今は思っています。


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