日本国は平成11年自動車に関する相互承認制度という制度に加盟している。
この制度は、加盟各国で自動車の部品など各国ごとに行われていた認証を共通にして認証手続きなどを簡素化しようというものである。
そして現在のところ、日本でも灯火装置など数多くの部品が対象品目となり、それに伴って日本独自の車の構造の規制も減る傾向にある。
また、車の構造が海外のものと共通となることで日本独自の点検などの規制の違いも浮き彫りになり独自の規制は緩和か廃止される傾向である。
例えば、分解整備検査が廃止されたのもそのひとつである。
よく海外のものと比較される車検制度(継続検査)も点検項目も減る傾向にありユーザー車検も以前よりはやりやすくなるなど、我々ユーザーにも恩恵のある制度の共通化であるが、車の制度が共通になっても日本独自の社会背景や習慣などもあり、全く海外と同じにしてしまうことにも問題があるようだ。
例えば、分解整備検査が廃止されたのは、ユーザーのなかには、整備の技術と設備を持っている者もいるということを前提としている。
しかし、日本の住宅事情や就労時間を考えると、自宅に整備ができるほどのガレージを持ち、さらに自分で整備するだけの時間を持つものは限られているのは明らかである。
更に日本の国民性として、あまり自分で自分の車を整備をする習慣が好まれないようにも思える。
例えば海外では、車の修理に限らず自分の家の壁を塗り替えるなど自分の家のことは、出来るだけ自分でやってしまおうとする習慣が映画などを見ても感じ取れる。
またベンツなどの車の構造も比較的壊れやすいフロントのライト周りの部品やプラグコードなどの部品が日本車に比べ細かく発注できるなど、自分で車を直すユーザーを対象とした車のつくりがされているように思える。
また海外と日本のホームセンターにある工具を比較しても内外の差を感じる。
このようなことから海外の規制と日本の規制を全く同じにしてしまうことは、ユーザーの設備や技術という面からも混乱することが予想されるのである。

つまり、今までユーザーから厳しすぎると批判されてきた制度であるが、それが海外のものと近くなると海外と日本のユーザーとの違いが浮き彫りになるという皮肉な結果になって来ている。
また、日本の自動車ヒョウロンカのなかには、車検制度をHP上で批判しているものもいるが、HPや本の記事を見るかぎりそのヒョウロンカ自身が車の構造や、道路運送車両法に疎いことは明らかで、いい加減な情報を発信している。
例えばこのHPのLLCのページや車検制度のかん違いのページにも似た例は紹介してあるが、その他にも軽トラックに剛性が低く危険な乗用車用のタイヤに付け替える例などを何の解説もなく紹介したり、道路運送車両法にも反するナンバーカバーを正当化するするなど、明らかにあやまった情報を発信しつづけている。
我々ユーザーの技術向上には、正しい知識が必要でありそれが規制緩和にもつながると思うが、あのようなヒョウロンカの駄文の存在が、規制緩和の障害になることが懸念される。
話がそれたので元にもどすが、例えば、6ヶ月法定点検の廃止や車検の点検項目が減ったりなど欧米並みの規制になっても、それは、点検をしなくても車は壊れないという考えが根底にあるわけでわなく、欧米並みに自己危機管理意識を高く持たなければならないと解釈すべきである。
またこれは、日常点検が義務付けられて更にその内容が必要な時に必要なことをしなさいというような内容であることからもうかがえる。