ネット上でよく見かけるかん違い

ネット上には、ユーザー車検や車検制度に関する論評が沢山あり参考になります。
しかし中には間違った解説や情報量が不足していたりで誤解を生みやすいものもあります。
このページではそのような良くあるかん違いをQandA形式にして正してみました。
なお、間違いの例としている質問は、特定のHPをモデルにしたものではなく、あくまで一般的なものとご理解ください。

整備業者に車検を依頼すると、ブレーキパットの厚みを勝手に測られて、まだ使えるものまで交換されてしまうが、不経済デナイノ。

整備業者にもよりますが、残り少なくなったブレーキパットを車検整備時に交換することはよく行われることです。
これは、数ヵ月後にブレーキパットがなくなってから再び整備業者に入庫してブレーキパットを交換するほうが時間的にも経済的にも無駄が多いからです。
更に車検に伴うブレーキパット交換工賃は通常より安くなる場合が多いようです。
ですから車検の時にブレーキパットを替えてしまった方が結果的に安くなります。
また残り少なくなったブレーキパットでは、ブレーキによる摩擦熱が物理的にフルードに伝わりやすくなりますから、古いフルードと残り少ないブレーキパットの組み合わせはペーパーロックを起こしやすい危険な組み合わせです。
 質問の例にある業者は、交換したパットの厚みを計測してくれたようですが、このように交換理由や交換部品を示して整備内容を説明してくれる業者は一般的に良心的であると思います。

車検制度はお金をとるだけの怪しいシステムデナイノ。

道路運送車両法では、継続検査や法定点検は自動車の使用者(ユーザー)が行うように定めてあります。
ですからシステム的には継続検査時にかかるお金は、継続検査手数料の1400円又は1500円と重量税と自賠責保険料です。
但しユーザーが車検整備と継続検査を業者に代行させた場合には、業者の手数料も含んだそれなりの料金がかかりますが、それだけで「怪しい」といえるものではありません。

整備についてはその車の定められているものをそのたびに単体で整備業者に依頼した方が、車検整備に出すより安いんデナイノ。
車検整備の内容や料金は業者によって違うのであくまで一般論ですが、車検整備の時に交換する部品は、メーカーの推奨するものよりも少なくなる場合が多いと思います。
例えばメーカーでは、ブレーキ関係のゴムの部品は5年でほとんど交換することを勧めていると思いますが、杓子定規にすべての部品を替えてしまう車検業者は少ないと思います。
また、車検に伴う整備については割引する業者もありますが、単体ではそれは望めませんので経済的には無意味でしかも整備入庫回数が増えるのも忙しい方には負担になると思います。

ユーザー車検を受けるために陸運事務所に行ったら、事務所内に代書屋があるデナイノ。こりゃ癒着じゃないだろか。
陸運事務所内に代書屋がある陸運支局はどこにもないと思います。
恐らく賛助会事務所かサービスセンターの事務所のことだと思います。
継続検査の書類の書き方は、陸運事務所内にお手本がありますのでそれを見ると簡単に書けると思います。
またユーザー車検の場合であっても代書屋を利用する人はほとんどいないのでこれを理由に癒着と言うのは少し乱暴ではないでしょうか。

車検場のブレーキテスターでブレーキをじわりと踏むのがこつデナイノ。

ブレーキを踏むの指示が出たら、ブレーキを一気に踏まないと×になる確率が高くなります。

スピードメーターは事前検査の時に実際40キロ走行でスピードメーターに印をつけておけばメーターが狂っていても検査に合格できるデナイノ。
そのようなやり方をすればメーターが狂っていても検査に合格することが出来ますが、それは不正受験です。
実際にメーター誤差が限度近くあるものは整備をしてからの受験して下さい。。

車検場の排ガステスターでCO、HC濃度を計測したところ計測器の針は、ほとんど動かず、こりゃ計測限度以下のクリーンな排気ガスデナイノ。

車検場や予備検査場にある排ガステスターは、法で定める限度(4サイクルの場合、CO4.5パーセント、HC1200ppm)以上の排気ガスを測定しても針が振り切れないように、あらかじめ測定レンジが高濃度になっています。
ですから測定器のはりが動かないからといって必ず測定限度以下の排ガス濃度とはいえません。
低濃度レンジに切り替えて測定すると針が振れる場合もありますから。

車検場で検査官がブレーキペダルを踏んだが、そんなことしても何も解るわけないデナイノ。

ブレーキペダルを踏むことで、車検の点検項目にもあるブレーキペダルを踏んだ時の床板との隙間、等が解ります。
また油圧経路のエアの混入やブレーキフルードのもれ、ドラムブレーキのブレーキ隙間が大きいなど極端な異常や整備不良が解ります。
しかし、ユーザー車検の場合でも車検場で検査官自らがブレーキペダルを踏んで検査することは珍しいですね。
これらの異常は普通に運転しても解ることですから、検査官がこれを行ったのは、貴方の車や貴方自身がよほど危なっかしく見えたからかもしれません。

先検査、後整備が認められているから、オーバーヒートで大量の冷却水を撒き散らす可能性があることを承知で、検査ラインに車を入れた。

検査ラインでは、検査官が車の下から上を向いて検査を行います。
もしここで大量の冷却水が噴出せば、検査官に熱い冷却水を浴びて焼けどさせてしまう危険な行為です。
また冷却水には毒性がありますので、これをむやみに撒き散らすのを承知で車を走らせることは環境面でも問題です。
また公道上で冷却水を撒いて立ち往生することも迷惑で危険なことは説明するまでもないことです
制度以前に常識で判断できることです。


軽トラックの乗り心地が悪かったのでタイヤを乗用車用の物に代えてみた。
もちろん乗り心地も良くなったし、車検もこれでOKデナイノ。

軽トラックなどの貨物車には、貨物車用のプライ数が表示されたタイヤでなければ車検に通らない場合もあります。
また積載時には、タイヤサイドの剛性が不足して危険なことは言うまでもありませんし、積載していない時も乗りにくくなりませんか?
まあ乗り心地は主観的なものですから、感じ方は人それぞれでしょうけど。