C14を使いこなすぞ。(赤道儀取り付け編)


昨年11月に、中古の14インチ・シュミットカセグレン望遠鏡 (C14) を購入しました。C14と共に鏡筒バンドも手に入れたのですが、これだけでは使い物になりません。そこで、以前から所有しているNJP赤道儀に取り付けることにしました。

C14は重量が26キロあり、赤道儀に載せるのも大変です。軽い望遠鏡であれば、赤道儀の上に鏡筒バンドを取り付けてから、望遠鏡を載せるのですが、C14だと、載せてから鏡筒バンドのネジを締めるまでの間、赤道儀から落ちないように支えなければならないので、かなりの労力が必要となります。そこで、アリ形アリ溝プレートが付かないものか、検討することにしました。

1月のある日、秋葉原にある望遠鏡ショップ、スターベースに行って、ちょうど良いアリ形アリ溝プレートがあるか聞いてみました。お店の人に聞くと、NJP赤道儀C14が載るように作った専用のアリ形アリ溝プレートがあるとのこと、早速、見せてもらいました。今までに3人の方がこれを使って、C14NJP赤道儀に載せているそうで、私も早速購入することにしました。また、C14用鏡筒バンドの取り付け孔は、カメラ雲台などと同じ1/4インチネジで強度的に弱いので、M8ネジに替えた方が良いことを聞きました。アリ形プレートの加工と共に、鏡筒バンドの加工も有料でやってくれるそうですが、私は自分で加工することにしました。

C14専用の鏡筒バンド
これが2本必要です
スターベースで購入した
大型アリ形アリ溝プレート
バンド付属の1/4インチネジ(右)
付け替えるM8ボルト(左)

3月のとある日曜日、時間ができたので、加工をすることにしました。
まず、アリ形プレートC14鏡筒バンドの取り付ける孔を開けることにしました。鏡筒バンドの2つのネジ孔のピッチをざっと測ると75mmで約3インチです。アメリカ製なのでインチで設計されていてもおかしくありません。でも3インチであれば76.2mmのはずです。75mmと76.2mmでは全然違います。下手をすればボルトが入らなくなってしまうので、正確に測ることにしました。正確なピッチは75.0mmでした。アリ形プレートの長さは250mmあるので、剛性を高めるために、出来るだけ端の方に2本の鏡筒バンドを取り付けようと、端から25mm余して200mmピッチで取り付けることにしました。また、M8ボルトで取り付けるので、M8ボルトの径7.8mmに対して多少のバカ孔となるように8.0mmで孔を開けました。

次に、鏡筒バンドの取り付け孔の加工です。1/4インチのタップが立っていますが、M8に替えるので、6.8mmドリルで1/4インチのタップ孔を座ぐりました。M8タップを立てると、バンドはアルミ製のでぐいぐい入ります。本来なら、粗目、中目、細目と3段階で行うのですが、アルミは柔らかいので、荒目1本を最後まで貫通させるだけで済みました。

けがき線を入れた
アリ形プレート
アリ形プレートに開けた
ボルトの取り付け孔
バンドにM8ボルト用の
タップを立てているところ

30分程度の加工で、アリ形プレートから鏡筒バンドのタップまで終了し、組み立てることができました。あらかじめ用意したM8ボルトスターベースでもらった物で、ネジ部が25mmです。アリ形プレートの板厚は15mmあるので、鏡筒バンドと勘合する長さは10mmしかなく、アルミ材の柔らかさを考えると強度的にちょっと不安です。早速、近所のホームセンターに行って、ネジ部が35mmのM8ステンレスボルトを買ってきて交換しました。今度は、鏡筒バンドとの勘合部は20mmあり、安心できる強度となりました。

鏡筒バンドに付いた
アリ形プレート
2本の鏡筒バンドが
一体になりました

3月18日、鏡筒バンドを取り付けたC14NJP赤道儀に載せてみることにしました。まずNJP赤道儀アリ溝プレートを取り付けました。そしてC14を載せてみました。アリ形プレートは楽に勘合すると共に、鏡筒バンドを停めているボルトが、アリ溝プレートからの前後の抜け止めになって、簡単にNJP赤道儀C14を載せることができました。こんなに簡単なものだったら、アリ形プレートをあと2枚買ってきて、1枚にはいつも撮影に使用しているε210cを取り付け、もう1枚には流星撮影用の8連雲台を取り付ければ、これらをNJP赤道儀上に簡単に搭載できるなと思いました。

C14も載せられたので、バランスウエイトを調整することにしました。私の知り合いは、C14NJP赤道儀に載せるとき、6.5キロのバランスウエイトを4個使用していました。私はウエイトを3個とか持っていないので、バランスを取るための方法をいろいろ考えました。既製品のウエイトを1個購入するのであれば、バーベルのウエイトを1個買って、ウエイトの間に挟んで使う方が安くて済みます。しかし私は、スターベース製の延長シャフトを使うことにしました。延長シャフトは、バランスウエイトシャフトを100mm伸ばすもので、これによってウエイトの重量はそのままで、モーメントだけ増やすものです。鉄材を旋盤で自作することも可能ですが、ネジの雄部と雌部を作るためにはダイスとタップを買わなければならず、ネジ径がかなり大きい物なので、これだけのためにダイスとタップを用意するには高くつきます。そこで既製品の延長シャフトを購入したのです。前回の星見の時に、ε210cで試してみたところ、今まで3このウエイトが必要だったのが、2個で済むようになりました。これであればと思い、早速、C14のバランスを取ってみると、バランスウエイト3個で、シャフト端まで数センチを残して合わせることができました。

C14に鏡筒バンドを
取り付けたところ
アリ溝プレートをNJPに
取り付けたところ
NJPにC14が載ったところ
延長シャフトでウエイトは3個

無事に、C14NJP赤道儀に載せることができました。早速覗いてみようと思いましたが、手頃なアイピースを持っていません。高橋製のEr32mmがあったので、ひとまずこれを使用して見ることにしました。C14の焦点距離が3900mmあるので倍率は約120倍となります。まわりの景色を覗いてみると周辺がけられてしまうようです。どうも接眼部手前の主鏡に通してあるチューブが、けられを作る原因のようです。

夜になって、デジカメを使ってコリメート撮影してみることにしました。しかし、アイピースが適していないのと、デジカメのレンズに像をうまく導入できないために、良い物が撮影できませんでした。デジカメを固定するアダプターは必要なようです。

でも、今回の目標は達成しました。これから、フードを作ったり、最適なアイピースを選んだり、デジカメを固定するアダプターを考えなくてはなりません。楽しめるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。


2000/03/25


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