1999年7月24-25日 美の山星まつり in みなの'99 参加


埼玉県皆野町にある県立美の山公園で、今年も星まつりが行われました。昨年は秋に行われたようですが、今年は7月23日(金曜)から25日(日曜)の夏の暑い最中、お月様も上弦過ぎで、星見を避けて遊びに行くにはもってこいの時期でした。飯能天文同好会の皆さんが参加すると聞き、私も前もって連絡をとり、仲間に入れてもらうことにしました。

私は2晩の参加はきついので、金曜はゆっくり寝て、土曜の午後から出かけることにしました。大宮を出て川越から関越高速に乗り、花園で下りました。途中、寄居のコンビニで差し入れ用に冷えた缶ビールを1箱買い、約1時間半で現地に到着しました。

到着すると既に上の駐車場は満車で、下の駐車場に車を置いて、ビールを担いで、飯天のみんながどこにいるのか捜しました。望遠鏡メーカや同好会のブースが並ぶ一番上のメインストリートから1段低くなった、芝生のある運動場にテントが張られ、そこに飯天の皆さんが10名程集まっていました。下の駐車場に車を置いてきた話をすると、ここの横の駐車場の空いているところに置けるということで、車を傍まで持ってくることが出来ました。時刻は午後4時頃でしたが、標高が500メートル程なので下界と暑さがほとんど変わらず、みんな日差しを避けて、テントの下で茹だってました。まずは、差し入れの缶ビールで乾杯。あっという間に、1本が空きました。
飯能天文同好会の皆さんのために
テントが用意されていました。

そうこうしていると、どこからともなく市川さんが現れました。昨晩は雲が出てしまって、月ぐらいしか見えなかったとか。缶ビールを勧めると、俺はもう飲んでるんだよ、とテントの下にドカッと座り込みました。今回、飯天の市川さんに見てもらおうと、私の撮影した星雲星団の六切りに伸ばした写真の一部、120枚程を3冊のクリアファイルに入れて持って来ました。写真を見せると、この星雲はこの星から追っていくんだとか、この星を結んだこの形がわかりやすいんだとか、さすが星雲星団のチャート作りをしているだけあって非常に詳しく、1枚1枚の写真ごとに話が弾みました。

遠くのスピーカから、オークションが行われている声が響いていました。そうだ行かなくてはと、近くのベンチでうたた寝していた飯天の井上さんを叩き起こしてオークション会場に行ってみることにしました。オークション会場では星をやっている人であれば誰でも知っている天文落語家柳家こゑんさんが、笑いをとりながら司会をしてました。特に興味をそそる物もなく、あっという間に終わってしまいましたが、引き続いて抽選会が行われました。こゑんさんが、抽選券のない方は受付で行ってきて、というので、私も貰ってきました。抽選会では、望遠鏡や双眼鏡だけではなく、CD-ROMや洗濯石鹸、タオルまでありました。番号を読み上げているうちに、井上さんにタオルが当たりました。仲間内で当たったので、わーぃと一人で大騒ぎをしていると、こゑんさんに、どこに行っても見かける人がいますね、と私に向かって言ってました。うーん、こゑんさんは憶えていないかも知れないけど、1988年のインドネシア皆既日食で同じツアーで初めて一緒になってから、サンシャインの星空寄せには90年代始めに毎年行ってたし、胎内星祭りでは、こゑんさん司会のオークションでいろいろな天文グッズを競い落としているんだから、むしろ、私のことを憶えていない方が失礼なほどです。でも、抽選の当たりは別物。結局、何も当たらずに終わってしまいました。

飯天のテントに戻ると、市川さん鍋が出来上がっていました。私も少しいただき、再び会場に行くと、こゑんさん星空落語が始まってました。いつものように星を題材にした落語は、星好きの人にしか意味が分からないのでしょうか、遊びに来た地元の方々には受けがいまいちでした。

夜の観望会のために
望遠鏡を組立て始めました。
天文グッズが当たる、
こゑんさん司会の抽選会。
どこの星まつりでも好例の
こゑんさんの星空落語。

落語も終わり、会場の灯りも消されたので、ブースをうろつくことにしました。このような星まつりでは、掘り出し物が結構あるのでチェックは欠かせません。順に廻ることにしました。
まずは、アスコのブース。双眼鏡やら望遠鏡やらがある中に、店の前に飾られている6センチ程の屈折望遠鏡赤道儀に載ってありました。お買い得だよ、とお店の人が言っているのに誰も知らん顔。値段を見ると、なんと1000円。これは安い、新しく星を始めたい初心者の仲間に、タダであげてもいいと思い、話を聞くと、これに、アイピース3本天頂プリズム2倍バローレンズも付くというので、即買いました。こっちの望遠鏡100円だよと、私の買ったセットに付いている望遠鏡と同じ物が数本ありました。これももちろんゲット。まだ廻り始めて一件めだというのに、もう両手一杯になってしまいました。
超お買い得、たった1000円!
アスコ製の望遠鏡と赤道儀。

次に足が止まったのが、なんやら本を売ってるブース。よく見るとメシエ天体のガイドブックと、それを売っているのが、あのメシエマラソンを80年代後半に日本に初めて紹介したオクセンドルさんでした。前々からこの本は欲しかったので、これも定価の1600円でゲット。
次は、ビクセンのブース。掘り出し物は、ビクセン物を買うと必ず付いてくる星座早見盤1枚100円。私は既に2,3枚持っているのですが、一般観望会の時に使えるかなと、5枚買い込みました。
宮内のブースに行って、「ここお買い得品ないですよね」と聞くと、「お買い得はないですけど、これをどうぞ」と、あめ玉をもらいました。
天文ガイドのブースでは発売したばかりの星雲星団ガイドマップが置いてあったので、これもゲットしました。

飯天のテントに戻ると、観望会というか飲み会というか、とにかく星を見てはおしゃべりをして酒を飲むといった具合のものが始まっていました。空は、雲がわずかにあるものの、も出ています。私もビールやワインを飲みながら、望遠鏡や星の話をしました。
本格的に星を見ることにし、テントの灯りを消して、飯天の皆さんの望遠鏡を覗かせてもらいました。さそり座アンタレス伴星も見えるというので、市川さん20cm反射経緯台を覗かせてもらったところ、ゆらゆら揺れるアンタレスの星像の左上にかすかに星があるのが判りました。「屈折に比べて反射鏡の精度は悪いけど、俺のは光軸をかなりの精度で合わせているから」と、確かに空のシンチレーションは悪いものの、星像は綺麗でした。
市川さんの望遠鏡で撮影した
みごとな土星です。

いつの間にか夜半も過ぎ、木星土星が昇ってきました。雲も多少有り、薄い雲のようなものもかっていましたが、かえって上空の気流が少なく、シンチレーションも良好になりました。市川さんによると、今日のシーイングは10段階で5ぐらいだそうです。まずは横尾さん50cmドブソニアンに行って木星を見せてもらいました。かなりの拡大率でも明るく、どころか細かい渦までもが見えました。土星を見せてもらうと、宇宙空間に球体の土星本体があり、その回りに何の支えもなくがぽっかり浮かんでいるのがわかりました。そして、輪の後ろには土星の影で暗くなっているところも判りました。市川さんの望遠鏡でも土星を覗かせてもらいました。輪がとても綺麗なので、デジカメで撮れないものかコリメートで試してみました(右写真)。家に帰って画像を見てみると、かなり良く写っているのでビックリ。市川さんは眼視派で望遠鏡も経緯台なので、今までこの望遠鏡で写真撮影をしたことがないかもしれません。もしかすると、市川さんの望遠鏡で撮影した写真第一号かな、なんて思うと、楽しいような、悪いような。。。

みんなは、明け方にはもっと綺麗に見えるようになるとがんばっていましたが、私は酒も入っていたせいか眠くなって、3時半頃に車に引き込み寝ることにしました。

ブースの前でも
望遠鏡に人だかり。
夜中でも飯天の皆さんは、とても元気です。
朝食風景。


8時半頃目が覚めると、もうみんなは起きていました。みんなと一緒にのんびりと朝食をとり、片づけを済ませて、11時頃に美の山をあとにしました。

とても楽しい星まつりでした。今回も飯能天文同好会の皆さんにお世話になってしまいました。飯天の皆さんが持つ大口径の望遠鏡を何度も覗かせてもらっているうちに、私もかつて製作した33cmドブソニアンを復活させたくなりました。


1999/08/03


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