ディフュージョンフィルタの効果


ディフュージョンフィルタは、その名の通り、光を拡散させるためのフィルタです。私も、昔、胎内星祭りのオークションで手に入れた、ハリソン製のディフュージョンフィルタを持っています。星野写真を撮影するときにこのフィルタを使うと、明るい星はにじんで大きく写り、星の色がよくわかります。しかし暗い星は、にじみのために消えてしまい、一長一短といったところです。そこで、フィルタ有りと無しの写真を撮影して、両者の長所を生かすように画像合成すれば、綺麗な写真が出来上がるかも知れません。そこで早速、過去に撮影した写真を使って、試してみることにしました。



カシオペア座
フィルタなし

1997年11月1日25時52分撮影(10分露出)
栃木県粟野町粕尾峠

50mmF1.4絞りF2.8,Nikon FM2,自動追尾,富士SGA800

フィルタなしでは、暗い星まで綺麗に写りますが、明るい星と暗い星の差があまりないので、星座がわかりにくくなってしまいます。カシオペアのW字形になる星は、どの星でしょうか。
右上の流星は、おうし座群流星です。


フィルタあり

1997年11月1日25時42分撮影(9分露出)
栃木県粟野町粕尾峠

50mmF1.4絞りF2.8,Nikon FM2,自動追尾,富士SGA800

フィルタありでは、明るい星は大きくなり、綺麗な色を発します。カシオペアのW字形も、わかりやすくなっています。しかし、暗い星はほとんど見えなくなってしまいます。



合成画像


明るい星は大きく、暗い星も細かく見えるようになります。また、カシオペアのW字形も、きちんとわかります。
フィルタなしの画像にあった流星も、きちんと残っています。






おうし座
フィルタなし

1997年11月1日26時19分撮影(10分露出)
栃木県粟野町粕尾峠

50mmF1.4絞りF2.8,Nikon FM2,自動追尾,富士SGA800

フィルタなしでは、暗い星まで綺麗に写りますが、明るい星と暗い星の差があまりないので、星座がわかりにくくなってしまいます。おうしの頭になるV字形も、ちょっとわかりずらいです。
右上の赤いカリフォルニア星雲が、くっきり見えています。


フィルタあり

1997年11月1日27時02分撮影(11分露出)
栃木県粟野町粕尾峠

50mmF1.4絞りF2.8,Nikon FM2,自動追尾,富士SGA800

フィルタありでは、明るい星は大きくなり、綺麗な色を発します。しかし、暗い星はほとんど見えなくなってしまいます。おうしの頭、ヒアデス星団のV字形が、よくわかります。
右上のカリフォルニア星雲は、つぶれてしまって見えません。


合成画像


明るい星は大きく、暗い星も細かく見えるようになります。おうしの頭のV字形も、よくわかります。
右上の赤いカリフォルニア星雲も、綺麗に見えています。





1999/06/06


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