その10. 1999年12月11日の星見
(栃木県田沼町飛駒)



12月になると山に行くにも途中の道路が凍結して、気軽に行けなくなります。昨年は、この時期に双子座流星群を粕尾峠に見に行って、途中の凍結路でクラッシュしてしまいました。そこで、凍結のない平地でということで、小山星の会の仲間と、栃木県田沼町の奥地である飛駒で星見をすることにしました。

19時過ぎまで月があるので、佐野市の実家で昼寝をし、のんびりと夕食をとってから、20時頃、田沼町飛駒に向かいました。実家からだと30分程度で現地に到着します。現地は2月に星見に行ったときに教えてもらった場所で、携帯電話も使えます。現地に到着すると、既に小山星の会小倉さん高木さんが星見をしていました。なんでも明るいうちから来て、望遠鏡のセッティングをしていたそうです。

試し撮りにさんかく座系外星雲であるM33を撮りました。試し撮りは、その場その時の空の状態を過去の撮影と比較することによって知ることができるので、毎回、明るい天体を使って行っています。また試し撮り撮影後に、再度極軸を合わせることによって、極軸セッティングの精度も上がります。

試し撮りも終わり撮影の準備ができたところで、ちょっと一息。今日はのんびりと撮影していこうと、コンロで湯を沸かしてホットワインを作ることにしました。作るといっても、ワインをビンごと湯煎するだけです。ホットワインは、なぜか値段が安いワインほどおいしく、最近では1000円で2,3本ほど、ワインが買えるので、そういうワインを冬場の星見に持っていきます。私は、ただ暖めただけのワインで済ませますが、これにハチミツとレモンを入れると、もっと美味しくなるそうです。

まずはカシオペア座散開星団 NGC129 /Cr2 を撮影しました。明るさは暗いのですが、結構大きな星団です。

多胡カタログ NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC129
Cr2
散開星団 カシオペア座


レトルトパックのおでんセットを持っていったので、鍋で煮て、みんなで食べながらの星見です。小山星の会山本さんも夫婦で到着し、赤道儀を組み立て始めました。今日は南方面の低空にやや雲があります。そこで天頂付近のふたご座散開星団を狙うことにしました。IC2157 /Cr80 /Tr4 (多胡カタログ番号 96)、NGC2266 /Mel.50 /Cr113 (多胡カタログ番号 105)、NGC2331 /Cr126 NGC2355 /Mel.63 /Cr133 (多胡カタログ番号 110)、NGC2395 /Cr144 と撮影していきました。NGC2395 のわずか南東に赤い散光星雲のようなものが写っていたので調べてみたところ、メデューサ星雲という惑星状星雲 Sh2-274 であることがわかりました。

多胡カタログ NGCカタログ 種類 所在 写具合
T96 IC2157
Cr80
散開星団 ふたご座


多胡カタログ NGCカタログ 種類 所在 写具合
T105 NGC2266/Mel.50
Cr113
散開星団 ふたご座


多胡カタログ NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC2331
Cr126
散開星団 ふたご座


多胡カタログ NGCカタログ 種類 所在 写具合
T110 NGC2355/Mel.63
Cr133
散開星団 ふたご座


多胡カタログ NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC2395
Cr144
散開星団 ふたご座


2時を過ぎて、数名の仲間は帰りだしました。南低空の雲もなくなり、とも座方面の散開星団を狙うことにしました。NGC2539 /Mel.83 /Cr176 (多胡カタログ番号 129)を撮影しました。

多胡カタログ NGCカタログ 種類 所在 写具合
T129 NGC2539/Mel.83
Cr176
散開星団 とも座


時刻も3時、みんなももう終わりにするということで、解散することになりました。まだ撮影する気になれば、2,3時間はあったのですが、みんなが帰るというので、私も今年最後の星見を終わりにして帰路につきました。


2000/1/2

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